河北春秋

 6月に結婚すると幸せになるという欧米の言い伝え「ジューン・ブライド」はローマ神話の女神「ジュノ」に由来する。結婚生活をつかさどる幸運の女神の名を冠したサクランボが今夏、青森県から全国デビューする▼ハートの形が印象的なジュノハート。500円硬貨より大きい3L(横型28ミリ以上)、4L(31ミリ以上)の大玉ぞろいだ。4Lで形や色合いが特に優れたものは「青森ハートビート」として売る。昨年、県内限定で初めて売り出され、ハートビートは2粒入りで1080円の高値が付いた▼県産業技術センターりんご研究所県南果樹部(五戸町)が22年前、新品種の開発に着手。甘みが強い紅秀峰と、粒が大きく種離れがいいサミットを交配し、質の良いものの選抜を繰り返した▼県南果樹部の近くで2005年、山火事が起きた。火の手は原木の手前まで迫ったが、懸命な消火活動でかろうじて被害を免れた逸話も持つ。16年に南部町や三戸町など県南を中心に栽培がスタートした。今年は昨年の倍近い600キロの収穫を見込んでいる▼早ければ今月末に県内で店頭に並び、7月1日以降は東京と大阪の百貨店や高級果物店で販売する。担い手が減る一方の果樹農家に恵みをもたらす女神になるか、関係者は期待を込めて見守っている。(2020.6.22) 


2020年06月22日月曜日


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