河北春秋

 1年延期された東京五輪・パラリンピックの簡素化に向けた検討が始まった。新型コロナウイルスの感染が世界に広がり、収束のめども立たない。ちらつく中止論の抑え込みを狙う▼コスト削減、感染防止の観点から見直される項目は200にも及ぶ。大会関係者数の制限、サービス水準の引き下げ、関連イベントの吟味…。延期に伴う追加負担が数千億円にもなることを考えれば、徹底した取り組みが望まれる▼難題は多い。政府が事前の案で示した、入場行進の省略や時間短縮による開閉会式の簡略化には「大会を象徴する見せ場がなくなってしまう」、無観客を含めた観客の絞り込みには「財政が成り立たない」との声が上がる▼果たして開催できるのかどうか、いつはっきりするのだろう。気の毒なのは選手たちだ。トレーニングどころでない国も少なくない。競技者にとって最高の舞台である五輪を前に、自己を高めることに専念できないもどかしさ、つらさはいかばかりか▼1894年のきょう6月23日、パリで開かれたスポーツ競技者連合の会議で近代五輪の開催が決まった。以来、文化や国籍を超えた平和の祭典として大きな役割を果たす一方、近年は過度の商業化などの問題を抱える。生命を最優先にすべき今、五輪はどうあるべきか。(2020.6.23) 


2020年06月23日火曜日


先頭に戻る