紙面センサー

声上げる必要性 教わる/田中志津(ビジネスマッチング・プロデューサー)

 スポーツ、文化芸術の秋である。その中、17日の朝刊1、3面「特別報道室 読者とともに」の「運動会 朝の花火『苦痛』」という見出しに目が留まった。「どうして宮城県では運動会の日の朝に花火を鳴らすの?」という訴えが寄せられたとあった。

 私は幼少期から父の転勤で、宮城県のほか、新潟、山形に住んだ経験がある。運動会当日朝の花火は、当たり前のように鳴らされていた。「全国的な風習」かと思ってきた。以前から保育園や小学校近くの住民が「子どもたちの声がうるさい」と問題視している記事を目にしてきた。運動会の花火も今や生活や勤務形態の変化、都市化する立地環境によって継続が難しくなっているだけでなく、聴覚に障害がある人にとっては苦痛になっていることを知らせている。
 夜勤明けの住民から苦情が来るというのはある意味分かるが、聴覚に過敏な方が強い不安を訴えているのは驚きだった。このような社会的少数の弱者の声を拾い上げたことは評価できる。寄せられた情報だけではなく、郷土史研究家の話が続き、明治時代に運動場整備で東北一円に広まった風習とあった。起源を深掘りしており、とても興味を引かれた。
 記事を読むと、運動会の花火が消えゆくのは仕方がないようだが、一抹の寂しさを感じるのは私だけだろうか。
 22日の朝刊みやぎ面「拡大・移動支局 宮城野ウイーク」に「福田町駅弱者に優しく バリアフリー化本格検討」が掲載された。4年前から住民組織が改善を訴えてきたことを受け、仙台市とJR東日本が駅舎移設も含めバリアフリー化の実現に合意したことを伝えている。
 最近、知人が足を骨折し松葉づえ生活をしている。近況を聞いたところ「健康なときには思いもしなかったことに気付く」という。例えば、エスカレーターは動く階段の段差が危険、ちょっとした道路のでこぼこさえもつまずきそうになり危ないのだという。これからますます進む高齢化を見据え、障害者のためだけではないバリアフリーが必要だろう。記事はその先駆けともいえる。
 地域住民が働き掛けることで、自治体と事業者が動いた事例の紹介は、これからも同様の取り組みが広がることを予感させる。地域の住民が積極的に声を上げる必要性と、それによって変わるということも教えている。

 17日朝刊みやぎ面で仙台市が新たな総合計画(2021〜30年度)策定に向けての全市民アンケートを実施しているという記事を読んだ。まちづくりに関わる七つの視点の達成度、重要度を把握するためだという。
 若い世代に参加を促すため、アンケート実施を知らせるのは必要だろう。結果が市政にどう反映されているかも継続して伝えてほしい。今まさに仙台市と宮城県が、それぞれ構想している音楽ホールと新県民会館の行く末も同様だろう。今後の記事にも大いに反映させてほしい。


2019年09月30日月曜日


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