紙面センサー

中小存続 励ます視点で/赤間広志(宮城海区漁業調整委員会委員)

 9日朝刊みやぎ面に「到来 初夏の味」の見出しで、生鮮カツオが石巻漁港に初水揚げされた記事が載った。新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)され、心の余裕を失いかけている中、旬のおいしいニュースを通して季節感が感じられた。
 15日朝刊3面で、塩釜港に夏漁の花形クロマグロ531本が水揚げされた話題が掲載された。ただ、このマグロは全国の消費市場に出荷されるため、地元に出回らないのが、寂しい。「塩釜 マグロ消費日本一」という記事が、いつか載ることを望んでいる。

 昨年11月まで民生児童委員を務め、多くの生活保護申請に関わった者として、10日朝刊1面の生活保護急増の兆しという記事が気になった。生活保護の相談の多くが切羽詰まってからである。まずは民生児童委員が用いる生活保護相談の手引書の充実が急務かと思う。生活保護の申請を考えている人を支える民生児童委員を支援する体制も整えてほしい。
 12日朝刊経済面に載った大崎市の老舗の豆腐・油揚げ製造販売会社の自己破産を伝える記事は、心が痛んだ。厳しい経営状況を持ちこたえてほしいと願っていたが、5月に入り倒産が続出。先月から懸念していたが、コロナ禍により中小の食品メーカーや観光産業などは生き残りに心血を注いでいる。生業を自粛しても経営が維持できる支援策が必要である。エールとなる記事を期待したい。
 15日朝刊1面で緊急事態宣言が39県で解除の記事が大きく報道された。外出自粛による倦怠(けんたい)感が漂う世論に押され、経済活動に重きを置いた解除なのだろうか。今月末まで我慢して緊急事態宣言の解除をという声もあった。コロナ禍の収束に向けて、心が一つになるような記事を掲載してほしい。

 18日朝刊1面の9月入学制の賛否を問うインタビュー記事を関心を持って読んだ。「議論は今じゃない」とする元文部科学事務次官の前川喜平氏と、「本年度を来年8月まで延長し、9月入学、新学期を実現すべきだ」と主張する教育評論家尾木直樹氏の双方の意見を興味深く読んだ。
 特に前川氏の「小学校低学年は今という時間が大事で取り返しがつかない。休校するかどうか、もっと厳密に考える必要があった」という発言には同感である。今後も多様な意見を詳報してほしい。
 最近の本紙を読んでいて、学校再開に関する記事が少ない気がした。特に小学校の速やかな授業再開を求める意見をもっと取り上げてほしかった。
 12日朝刊文化面のコロナ禍における芸術の役割で、シネマとうほくの鳥居明夫社長の「文化政策の貧弱さ痛感」という言葉が印象に残った。文化・芸術は宝である。新型コロナが去って、文化・芸術が衰退するような事態を避ける妙案を紙面でも示してほしい。
 21日朝刊文化面のコロナ禍と「ロビンソン・クルーソー」で、旺盛な好奇心や調査して記録に残す大切さなどを知った。コロナ禍をサバイバルするヒントにもなった。


2020年05月31日日曜日


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