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林業の多面的取材 大切/赤間広志(宮城海区漁業調整委員会委員)

 8日に宮城海区漁業調整委員会が開かれ、漁業者委員からホヤ貝毒の問題が提起され、白熱した意見が交わされた。9日朝刊1面に「『3海域検査』細分化検討」という見出しで記事が載った。23日朝刊1面には「ホヤ8海域で検査」が報じられた。安全なホヤを待ち望んでいる読者のためにも、ホヤ貝毒の問題の詳報が必要だと思う。
 宮城県の特産で今が旬の養殖ホヤは大ピンチに直面し、業者にとっては死活問題だ。15日夕刊の河北抄には「本当に、やばい」と、生産者の嘆きが載っていた。ホヤの一大産地、石巻市からの叫びに胸が締め付けられた。
 新型コロナウイルスの影響は深刻だ。12日朝刊1面に東北財務局がまとめた東北の4〜6月期の法人企業景気予測調査によると、景況感は過去最悪だった。景況判断指数(BSI)はマイナス51.9だった。中でも中小企業はマイナス55.1で、先行きが懸念される。東北の地場産業の状況を今後も深く取材してほしい。
 14日朝刊1面の「北東北 原木滞留 林業ピンチ」の記事が気になった。コロナ禍で経済システムが狂い、林業がダメージを受けている象徴的な記事だ。林業がわが国にとって重要な産業であることを再認識させられた。戦後、国土復興のために植林が行われ、日本列島が緑樹に覆われた歴史も踏まえ、今後も林業についての多面的な取材を望む。

 12日朝刊オピニオン面に掲載された前米沢市長の安部三十郎さんの持論時論「敗者の視点で維新検証」が目を引いた。27歳で亡くなった米沢藩士雲井龍雄の生き方に触れ、「いつの時代も真実を追い求めて権威・権力に正面から体当たりする勢力がなければ、社会の健全な発展は望めない」と書いている。この言葉は今の時代への警告とも言える。
 待望のプロ野球が開幕した。20日朝刊1面に「東北楽天 白星発進」の見出しが躍った。スポーツ面を見ると、選手の躍動する姿と担当記者の原稿が書ける喜びが伝わる紙面作りだった。

 10日朝刊オピニオン面のデスク日誌を興味深く読んだ。「密着しても癒着してはならない」と、記者の取材の鉄則がつづられ、人生の機微や社会の表裏に通じた筆者の思いが伝わってきた。
 国会議員の河井夫妻逮捕を受けた19日朝刊の河北春秋に共感した。「議員になりたい人ではなく、議員になってほしい人材を選びたい」とあったが、その通りである。国政選挙があるたびに、「果たして議員として適格な人物が国会に送られたのだろうか」と考えてしまう。社会の公器として国会議員をチェックする新聞の役割に期待したい。
 21日朝刊の河北春秋で、作家の故井上ひさしさんの言葉「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」が紹介され、示唆に富んでいた。朝刊1面のコラムは新聞社の品格を体現するものだと思う。


2020年06月30日火曜日


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