社説

日韓関係泥沼化/韓国側の主張は説得力欠く

 悪化する一方の日韓関係が泥沼の様相を呈し始めている。韓国最高裁による元徴用工判決を巡る確執に加え、韓国海軍駆逐艦の火器管制レーダー照射問題に関して、日韓の対立が激しさを増しているからだ。
 二つの問題のいずれもが韓国側に端を発し、日本側には少なくとも非難されるような落ち度はない。日本としては引き続き、国際法と国際常識に基づいて、冷静な対応を重ねるほかはあるまい。
 レーダー照射は昨年12月20日午後、石川県の能登半島沖の日本海で韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に対して行った。防衛省が公開した現場の動画を見れば、誤射ではなく意図的な照射だとみて間違いない。
 韓国側の説明はこれまで二転三転し、先日公開した反論の動画でも照射を否定するような新たな証拠は含まれていない。哨戒機が駆逐艦に向かって威嚇的な低空飛行をしたという韓国側の主張も説得力に欠ける。
 誤射であれば、現場での哨戒機と駆逐艦の無線のやりとりで解決できた問題だ。意図的な照射であれば、極めて危険で重大な事案だが、日本側が抗議した時点で、韓国側が事実関係を説明し謝罪すれば、これほど大きな問題には発展しなかったろう。
 友好国であるはずの韓国のこの問題に関する対応は、極めて不可解であり、違和感を禁じ得ない。信ぴょう性に乏しい主張からは、韓国が感情的な反発に終始しているようにさえ映る。
 もう一つの問題、元徴用工判決に関しても解決の糸口は見えない。原告側が被告の新日鉄住金の資産差し押さえを申請し、これに対し安倍晋三首相は6日放送のNHK番組で対抗措置の検討に着手したと明らかにした。
 賠償問題は1965年の日韓請求権協定によって解決済みなのは周知の通り。元徴用工に対する損害賠償の主体は韓国政府自身であり、事実、昨年12月20日、新たに元徴用工や遺族ら約1100人が損害賠償を求めて提訴した相手は、韓国政府だ。
 請求権協定に基づき日本が提供した経済協力資金は、元徴用工らへの個人補償としては十分には使われなかったという原告側の主張は、これまでも指摘されてきた。元徴用工への個人補償はあくまで韓国の内政問題だ。
 安倍首相が言及した対抗措置の内容は不明だが、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を指すものとみられる。この問題に対して韓国側が主体的な対応を明らかにしていない以上、淡々と法的な措置を取るのはやむを得まい。
 一方のレーダー照射問題は日韓の防衛当局者による実務協議の開催が模索されているが、曖昧な妥協はするべきではない。国際社会が納得できる、国民の目に見える形での明快な決着が望まれる。


2019年01月08日火曜日


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