社説

宮城県沖地震41年/次に備え身の回りの点検を

 「6.12」は宮城県民にとって地震防災の原点だ。「みやぎ県民防災の日」でもある。あらためて災害への備え、命を守る心構えを再確認する日としたい。
 1978年の宮城県沖地震発生から、きょうで41年になる。マグニチュード(M)7.4を記録し、ブロック塀の下敷きになるなどして28人が犠牲になった。
 東日本大震災により、地震後の津波被害に目を奪われがちだが、揺れへの警戒を怠ってはなるまい。昨年6月18日の大阪府北部地震では、小学校のブロック塀が倒壊し、登校中の9歳女児が下敷きとなって命を落とした。いま一度、身の回りの安全対策を見直す必要がある。
 宮城県沖地震が30年以内に発生する確率は50%程度−。政府の地震調査委員会は今年2月、そんな注目すべき長期評価を公表した。東日本大震災後の2011年11月、日本海溝沿いの地震についてまとめた長期評価では「不明」だった。7年以上たって判明したこれだけ高い発生確率を重く受け止めたい。
 宮城県沖地震は、宮城県沖の特定の領域で繰り返す大地震だ。陸側プレート(岩板)の下に海側のプレートが沈み込み、ひずみが蓄積されたプレート境界の固着が限界に達して壊れると発生する。
 大震災の際、その固着が破壊されたかどうか不明だったが、その後の研究で、固着は大震災でいったん破壊されたと判明。宮城県沖地震の想定震源域で再び固着がみられ、地震調査委は次の地震発生サイクルに入っていると判断した。地震の規模はM7.4前後としている。
 大震災を起点とすれば、平均約38年とされる周期の既に8年が経過した。だが、あと約30年あると考えるのは早計だ。次の周期は短くなる恐れがあるからだ。
 大震災の影響で、プレートがゆっくり滑る「余効滑り」という現象が続き、固着にひずみが増大している可能性が高いという。いつ大地震が起きても不思議ではない、と警戒を強めたい。
 41年前の地震では、ブロック塀などの倒壊で多くの犠牲者が出た。その教訓から宮城県は危険なブロック塀を撤去するなど対策を進めてきた。
 しかし、大阪府北部地震を受けて県が18年度、公立小のスクールゾーンを対象に調査したところ、「要改修」「要撤去」と判定されたブロック塀が31市町村で1713カ所に上った。02年度の調査に比べ、約3倍に膨らんだ。
 ブロック塀の老朽化が主な原因とされる。備えに終わりはない。「ブロック塀の悲劇」を繰り返さないよう、劣化対策を急いでほしい。
 ブロック塀に限らない。家具の転倒やつり天井の落下などへの安全対策は万全か。土砂崩れの恐れがある場所はどこか。6.12を身の回りを再点検する機会としたい。


2019年06月12日水曜日


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