社説

丸山議員糾弾決議/重く受け止め辞職すべきだ

 国会は26日の会期末をにらみ、与野党の駆け引きが最終盤に入った。7月4日公示、21日投開票が有力視される参院選を控え攻防一色となっているが、今国会では驚くべき議員の振る舞いがあった。
 戦争で北方領土を取り返すことの是非に言及し、日本維新の会を除名となった丸山穂高衆院議員である。
 北方領土へのビザなし交流訪問団に同行して酒に酔い、元島民の団長に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争をしないとどうしようもなくないですか」などと発言した。
 衆院は丸山氏の糾弾決議を全会一致で可決した。「憲法の平和主義に反する発言をはじめ、議員としてあるまじき数々の暴言を繰り返した」と批判。「国益を大きく損ない、衆院の権威と品位を著しく失墜させた」と指摘した。
 事実上の辞職勧告である。ところが、丸山氏はツイッターに「任期を全うし前に進んでまいります」と投稿し、辞職を重ねて拒否した。
 発言は戦争放棄をうたう憲法9条をないがしろにし、国会議員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条にも反している。丸山氏が主張する言論の自由の枠内に当てはまらないのは明らかだ。
 都合の良い解釈は許されない。決議を重く受け止め、潔く辞職すべきだ。
 当初は与党がけん責決議案、野党が辞職勧告決議案を提出していた。野党は参院選をにらみ辞職勧告にこだわったが、発言を理由に辞職勧告する前例をつくりたくない自民党は同調しなかった。
 その後、ビザなし交流訪問時の丸山氏の問題行動が新たに発覚。政府側は酒に酔って下品な発言を繰り返し、禁止された外出を試みて他の参加者ともみ合いになった丸山氏の行動を報告した。
 決議案を放置して採決しないまま会期末で廃案になれば、それこそ国会の権威は失墜しかねなかった。自民党は、けん責より厳しい言葉である「糾弾」を採用。野党が主張した「国会議員の資格はないと断ぜざるを得ない」との文言挿入を受け入れた。
 糾弾決議に法的拘束力はないものの、衆院として「資格なし」と意思を明確に示したことは評価できよう。
 しかし、丸山氏に立法府の権威を踏みにじった自覚はないようだ。それどころか、体調不良を理由に公の場に姿を見せていない。
 政党も無関係ではない。日本維新の会は丸山氏を除名にしたものの、選挙で公認した事実は消えない。辞職を説くのが党としての責任だ。
 丸山氏は決議可決前に衆院議院運営委員会の理事会が求めた事情聴取を欠席。議員に執着するのなら、国会の要請に応えてきちんと弁明する責務があったのではないか。
 何よりも丸山氏が議員として無責任であり、資格がないことを自覚すべきだ。


2019年06月22日土曜日


先頭に戻る