社説

「核のごみ」国際会議/各国と連携しても効果薄い

 核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の最終的な処分について、国際的な連携が図られようとしている。日本などの呼び掛けで来月、フランスで初の国際会議が開かれる予定になっている。
 10カ国以上が参加する見通しで、地中深く埋設する「地層処分」を中心に、それぞれの国の現状と課題などが話し合われるとみられる。
 ただ、地層処分という方向性は同じでも、それぞれの国で国土の広さや地質はかなり異なるし、核のごみの中身も違う。国際的に協力したとしても、一気に進むとは到底思えない。
 地層処分を目指す日本に最も求められているのは、原子力政策の見直しだろう。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す核燃料サイクル政策を続ける限り、高レベルの放射性廃液がいや応なく発生していく。
 いつまでも増え続けるのでは、国民の理解を得るのは難しくなるだけだ。
 地層処分への取り組みが最も進んでいるのはフィンランドとスウェーデン。資源エネルギー庁によると、いずれも深さ400〜500メートルの処分地を決め、フィンランドでは建設が始まっている。実際の埋設はフィンランドが2020年代、スウェーデンが30年ごろの予定だという。
 ただ、両国と日本とでは状況が大きく異なる。原発はスウェーデンが4カ所(原子炉計10基)、フィンランドが2カ所(計4基)と少ない上、再処理はしていない。使用済み核燃料を十分冷やした後、そのまま専用容器に入れて埋設する。
 日本は再処理後に残る廃液が最終処分の対象になる。強烈な放射能を持っており、液体のままでの埋設は困難なため、ガラスを加えて固めてから行う。さらに原発の数もはるかに多い。
 何を地層処分するかは原子力政策によって異なる。使用済み核燃料の「全量再処理」が建前の日本とフランスは、高レベル放射性廃液のガラス固化体だが、アメリカやドイツ、中国はガラス固化体と使用済み核燃料の両方を対象にしている。
 再処理して高レベルの放射性廃液を生み出し、ガラスで固化するより、北欧2カ国のような「直接処分」の方が手っ取り早いのは確かだ。安全性の点でもおそらく見劣りはしないだろう。
 ただ、国内には現時点でもかなりの量の使用済み核燃料が存在している。仮に将来、直接処分に踏み出しても、原発を稼働させる限り使用済み核燃料は増え続けていく。
 ガラス固化体と使用済み核燃料のどちらであれ、処分地選びは困難を極めるはず。その一方で核のごみを増やし続ければ、建設してもいずれ満杯になりかねない。原子力発電を長期的に思い切って抑制し、地層処分の量を減らしていくことが不可欠になる。


2019年09月24日火曜日


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