社説

山形連携中枢都市圏/仙山連携の新たな主役に

 昨年4月の中核市移行に伴い、山形市が年度内に周辺11市町とともに連携中枢都市圏ビジョンを策定しようと、調整作業を本格化させている。
 生活圏として一体化が進む仙台、山形両市を中心とした仙山圏の広域連携をより拡大し、発展させていくため、幅広い分野で構成自治体と知恵を出し合い、具体的な政策目標としてビジョンに盛り込んでいくことを期待したい。
 連携中枢都市圏の形成は、国による財政支援の前提となるばかりでなく、構成自治体それぞれの成長力を結集することで、急速な人口減少の中にあっても地域としての持続性が確認され、住民の安心感の醸成につながる。
 ビジョン策定の手続きなどでは、中枢都市圏の中心となる政令市や中核市に強いリーダーシップが認められているのも大きな特徴だ。
 山形市の場合、これまで仙台市との間で積み重ねてきた連携事業の実績があり、今後、中枢都市圏として取り組みを進める上でも、強固な基盤となるのは間違いない。
 山形市は2016年11月に仙台市と包括的な連携協定を締結し、これまで「防災」「観光・交流」「ビジネス支援」「交通ネットワーク」などの分野で、さまざまな事業を試行してきた。
 昨年2月には、仙台市とのビジネス交流をさらに活発化させるため「仙山生活圏推進協議会」(仮称)の設立構想を表明。両市の商工団体や金融機関、大学などが参加して交流の機会をつくり、将来的に両市の企業の取引増加や共同の商品開発といった動きにつなげていく考えだ。
 両市は昨年11〜12月、首都圏の学生らを対象に東京都内や川崎市でUIJターン就職の促進イベントを連続開催し、東北での就職に関心を持つ若者と人手不足に悩む企業の双方から好評を得た。
 こうした事業は、山形市内の企業に限らず、個性的な技術を武器に各業界で存在感を発揮している村山地方のものづくり企業のニーズにも合致している。
 若者の定住促進への効果も期待できるだけに、より広範な企業、団体の参加を募っていく必要があろう。
 山形市と周辺11市町による中枢都市圏は人口50万規模となる。人口25万の山形市と100万の仙台市といった枠組みを離れることで、両都市圏の非対称性は緩和される。
 仙台圏に活力を奪われるのではないかとの不安から、これまで連携交流にためらいがあった自治体や経済界の意識も変わっていくに違いない。
 中枢都市圏の結束は、国道48号の改良やJR仙山線の機能強化といった交通アクセスの改善に向け、関係機関への働き掛けを強める上でも大きな武器になろう。
 新時代にふさわしい仙山交流の主役として、山形中枢都市圏には、重要な役割が期待されている。


2020年01月05日日曜日


先頭に戻る