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とうほくドローンeye「おくのほそ道」編(6)福島/あやしき貧家

 みちのくへ旅立って、はやひと月が過ぎた。疲れを癒やそうと、芭蕉は飯塚の地で温泉に漬かるが、泊まった宿がひどかった。
雨漏りはするわ、ノミや蚊に食われるわ。〈持病さへおこりて、消(きえ)入(いる)計(ばかり)になん〉と芭蕉はぼやく。
 飯塚は今の飯坂温泉(福島市)。摺上川沿いに約40軒の旅館やホテルが並ぶ。山の陰に日が沈むと優しい明かりが街中にともされ、由緒ある温泉地の風情に包まれた。
 「宿屋はそんなに悪くなかったと思いますが…」と飯坂町史跡保存会会長の小柴俊男さん(79)。「何しろここは奥州三名湯の一つですから」。宿はともかく湯加減は良かったのだろう。「熱過ぎた」とは芭蕉も曽良も記していない。
 寝不足気味の芭蕉は次の朝、気を取り直して「伊達の大木戸」を越える。かつて奥州藤原氏と源頼朝の軍勢が戦った地には、土塁や堀の跡が今なお残る。
(写真部・庄子徳通、小林一成)

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2019年8月23日

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