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ドローンeye/おくのほそ道編(4)福島/石を尋ねて

 阿武隈山地の山あいにある文知摺(もちずり)山普門院(福島市)の境内に、巨石は今も大切に残されていた。木漏れ日の向こうに福島盆地が広がる。
 かつてこの石に布を当て、植物をこすり付けて染め上げたという。よじれた模様に仕上がり、「もぢ摺(ずり)の石」と呼ばれた。
 古くからの歌枕「しのぶもぢ摺」の石を芭蕉が訪れてみると、土に埋もれかけていた。がっかりしたようだが、かえって感慨深く、過ぎ去った年月がしのばれたのかもしれない。
 田植えの娘たちの鮮やかな手の動きに思いを重ね、〈早苗とる手もとや昔しのぶ摺〉と詠んだ。
 「みちのくの四季折々を詠みながら、芭蕉はわびさびの精神世界を旅していたのではないでしょうか」。普門院住職の横山俊邦さん(71)が推し量る。自らを高める芭蕉の旅は、さらに北へと向かう。

(写真部・庄子徳通、小林一成)

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2019年7月29日

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