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とうほくドローンeye/おくのほそ道編(18)山形/岩に巌(いわお)を重て

 <一見すべきよし>と世話になった尾花沢の人たちに勧められ、芭蕉は珍しく寄り道をした。羽州街道をしばらく南下した後、東の山々に分け入る。着いたのは宝珠山立石寺。
 日暮れまでまだ時間があるとみた芭蕉は、山上のお堂を目指す。マツやヒノキの老木も、こけに覆われた土や石も、はるかな年月を感じさせた。
 岩をはい上がってやっとお堂に行き着くと、〈佳景寂寞(かけいじゃくまく)として心すみ行(ゆく)のみ〉。「岩の上に建つ山寺は、まさに異観。日常とは異なる別世界へと引き込まれたのでしょう」と、山寺芭蕉記念館学芸員の相原一士さん(56)が話す。
 ひたすら静かな世界に身を置いた芭蕉は、〈閑(しずか)さや岩にしみ入(いる)蝉(せみ)の声〉と詠む。この冬、山寺の雪化粧はいつになくうっすら。「きっと雪景色もすてきでしょうね」と言う参拝客の声が、静寂をかき消した。
(写真部・庄子徳通、小林一成)

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2020年3月15日

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