コマイぬ・よみ芝居が1周年 石巻で月1回開催、広がる仲間の輪

1周年を迎えたコマイぬの月いちよみ芝居。建物の構造を生かして上演。芝原さんと吉水さん(階段上)=3月23日、旧観慶丸商店

 演劇ユニットのコマイぬが石巻市内で始めた「月いちよみ芝居」が3月で1周年を迎えた。名称の通りほぼ月1回のペースで開催。街中に演劇の空気があふれるようになり、楽しみにしている市民が増えている。

 コマイぬを立ち上げた石巻市出身の芝原弘さん(37)=東京都=には、街中を演劇の空気で活気づけたいという強い思いがあった。コマイぬ自体が東日本大震災がきっかけで誕生した。

 芝原さんの郷土愛に東京の俳優たちが共感し、石巻に手弁当で駆け付けて参加してきた。石巻西高の演劇部有志が出演した時もあった。よみ芝居に加わる演劇仲間の輪が広がっていった。

 1周年を迎えた3月、旧観慶丸商店(中央3丁目)であった11回目のよみ芝居には今春、千葉県内の高校を卒業した吉水雪乃さん(18)=芝居屋風雷紡=が登場。芝原さんと約1時間半、休憩なしで2人だけのよみ芝居を演じきった。昨年10月にあった第3回いしのまき演劇祭に参加して以来、石巻地方で起きている演劇による街づくりに関心を示し、今ではコマイぬの準メンバーだ。

 東京の俳優たちにとって、復興に向かう石巻の空気を肌で感じる機会にもなってきた。大崎優花さん(34)もその一人。「街を歩いていると、市民の皆さんがとても気さくなのでびっくり」と語った。

 一貫して取り上げてきた題材が涌谷町在住の作家・郷内心瞳さん(40)の「拝み屋怪談」。病気を押して作家活動を続ける郷内さんを応援したい。よみ芝居を始めたのには芝原さんの仲間への熱い思いもあった。

 月いちよみ芝居は、石巻と東京の演劇交流を活性化させると同時に、被災地の今を見てもらう役割を果たしてきた。「節目を新たな第一歩に石巻の街中に演劇文化の薫りを醸成したい」。芝原さんの“コマイぬ新年度”が始まった。


2019年04月07日日曜日


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