韓国、日本産水産物の輸入規制継続 石巻地方に憤りと戸惑い

 世界貿易機関(WTO)の上級委員会で11日(日本時間12日未明)、韓国の宮城や福島など8県産の水産物輸入禁止措置が認められたことについて、東日本大震災前にホヤを輸出していた石巻地方では憤りと、戸惑いが広がった。

 県漁協谷川支所青年部の渥美政雄部会長(41)は12日早朝、青年部の仲間7人で1.2トンを水揚げしたばかり。「日本の主張が認められなかったことは、正直信じられない気持ちだ。入念な放射能検査などで安全・安心は確認されているのに…」と残念がる。今月1日に始まった今シーズンの水揚げは好調を持続。「出来栄えも良くて今年、来年こそは輸出もできると思っていただけにモチベーションも一気に下がった」と付け加えた。

 県漁協の丹野一雄経営管理委員会会長(71)も「こういう結果になるとは、崖から突き落とされた感じだ」と話した。今後、関係省庁などへの要望活動を改めて展開する計画で、生産者に向けての説明会開催も来週早々にも検討している。

 石巻魚市場の須能邦雄社長(75)は「安全性が担保されている中での今回の判決は、日本に対する韓国の国民的感情が見え隠れする。両国が協議し、早くしこりを取り除かないと、いつまで立っても解決しない」と強調した。

 石巻市の亀山紘市長は「日本産水産物を恣意(しい)的または不当に差別しているとの日本の主張が認められない結果となり、誠に遺憾」とコメントした。

 友好都市の福岡県豊前市でホヤの消費拡大に尽力する東松島市の渥美巌市長は「主張は認められなかったが、安全は十分に確保されている。今後も九州地方へのホヤの売り込みに力を入れ、国内需要を活発化させたい」と話す。

 震災前に韓国への県産ホヤの輸出は生産量の7、8割にも及んだが、韓国は13年に東京電力福島第1原発事故を理由に8県で水揚げ・加工した水産物の輸入規制を強化。日本は科学的根拠がないとして、15年8月にWTOに提訴。18年2月に紛争処理小委員会の判断で日本は勝訴したが、韓国が上級委に上訴していた。


2019年04月13日土曜日


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