避難所で会った少女にペンダント返したい 鳥取の女性、情報提供呼び掛け

少女が新藤さんに手渡した星形のペンダント
炊き出しの準備をする鳥取県琴浦町の女性ら=2011年6月4日、石巻市の蛇田小

 東日本大震災の発生直後の2011年6月に石巻市で炊き出しボランティアをした鳥取県の女性が、避難所からの去り際に星形のペンダントをくれた少女を捜している。一瞬の出会いから8年、つらい体験をした少女の幸せを願ってきた。成長した少女との再会と、被災を免れた「宝物」の返却へ思いを募らせる。

 鳥取県琴浦町の町議新藤登子(たかこ)さん(77)は、ペンダントを装飾品を入れる箱に大切に保管し、あの日の場面を思い起こす。

 震災から約3カ月後の6月1〜5日、町の女性ら約30人と共に「ゲゲゲの鳥取県応援団」として、石巻市内で支援活動に取り組んだ。4日は同市の蛇田小に設けられた避難所で豚汁などを提供した。被災者を励ますメッセージを添えた千羽鶴も届けた。

 同日夕、片付けを終えて引き揚げる際、10歳ぐらいの少女が駆け寄ってきた。「おばちゃん、鶴、ありがとう。これ持っていって」。振り返ると、少女が1センチほどのペンダントを差し出した。

 慌ただしくバスに乗り込む間際で少女の容姿はおぼろげだが、髪は肩ぐらいの長さだった。目頭が熱くなり、「元気を出して頑張ろうね」と声を掛けるのが精いっぱいだったという。

 防災関連の仕事に関わる新藤さんは今年5月下旬、会合のあいさつを考えていた際、不意に震災時の炊き出しと少女の姿が頭に浮かんだ。「あの子はつらい体験をしたと思う。『あなたの幸せを祈っていた』とねぎらいの言葉を掛け、ペンダントを返したい」

 日を追うごとに再会への思いは強まり、鳥取県を通じて情報提供を呼び掛けることにした。連絡先は同県消防防災課0857(26)7082。


2019年06月16日日曜日


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