映画「凪待ち」の思い語る 香取さんと白石監督、公開初日は石巻

市民やファンに映画「凪待ち」をPRする香取さん(左)と白石監督=イオンモール石巻1階、緑の広場
香取さん、リリー・フランキーさん、西田尚美さんの劇中衣装を展示。記念に撮影するファン=イオンシネマ石巻

 東日本大震災の被災地・石巻を舞台にした映画「凪待ち」が公開された。6月28日の初日には主演の香取慎吾さん、監督の白石和彌さんが石巻市を訪れ、石巻ロケの思い出などを熱く語った。

 公開記者会見(イオンモール石巻1階緑の広場)と舞台あいさつ(イオンシネマ石巻)の様子を紹介する。

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 香取さんは昨年6月、約1カ月にわたって石巻市に滞在し、撮影に臨んだ。

 「震災当日、ここ(イオンモール石巻)に多くの市民が避難したと聞いた。今日はこんなにたくさんの人が集まってくれた。笑顔があふれている。ありがとう」と感謝。

 民家であった出来事について「おじいちゃんは震災のことを知ってほしいようだった。おばあちゃんは震災の話になると、そっといなくなった。(石巻での撮影は)いろんなことを学ばせてもらった貴重な時間だった」と話した。

 喪失と再生をテーマに、“ろくでなし”を演じる香取さんにとって石巻の空気、市民との触れ合いは役づくりに生きたようだ。

 初タッグとなる白石監督については「怖いイメージがあったが、優しくて映画への愛にあふれた監督だった」と絶賛。その監督との出会いから生まれた作品。「見たことがない香取慎吾がいる。僕の人生の中で大きな位置を占める作品。映画から、よりディープな石巻を知ってほしい。今の石巻がスクリーンに映っている」と強調した。

 白石監督は、撮影準備段階から三陸地方に足を運んだ。被災地への思い入れは強い。「震災から8年が過ぎたが、まだ復興半ば。その風景が映画に大きな力を貸してくれた。人の再生をドラマに紡いでいければいいな、と」

 震災が風化していくことに心を痛める。「東京にいると(震災を)思い出すのは3.11の時だけ。でも、この地で新たな人生を歩んでいる人たちがいる。映画とシンクロした」

 テーマは重い。だからこそ意識したのが「エンターテインメント性」という。「香取さんだからこそ作れた。勝負している顔、殴られている顔。香取さんが演じる郁男は、これまでのしんごちゃんのキャラクターではない。撮影の合間に静かにしているたたずまいから、映画のイメージが膨らんでいった」

 石巻の印象について、2人とも「おいしい食べ物がたくさんある」と共通していた。香取さんは民家でごちそうになった刺身が忘れられないという。白石監督はサバだしラーメンを気に入ったようだ。

 2人の人柄がにじみ出た温かい空気が、二つの会場を包み込んだ。集まった市民からは「ありがとう」と感謝の言葉が2人に送られた。


2019年07月07日日曜日


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