開通!潮風トレイルを歩く(1) 東松島市−石巻市(市街地)

北上運河河口に新たに整備された「浜市橋」(右手)を渡り石巻市を目指す=東松島市浜市

 東日本大震災の復興支援として環境省がルート設定を進めてきた長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」八戸市−相馬市間約1000キロが先日、全線開通した。震災を語り継ぐ「記憶の道」を掲げており、石巻地方でも5ルートが決まった。来訪者はもちろん、地元住民も潮風に吹かれながら散策でき、震災風化を防ぐ一助にもなると期待される。

 各ルートの特徴と、最寄りの施設や景勝地を紹介する。(佐藤紀生、5回続き)

<雄大な鳴瀬川河口見どころ>

 塩釜市の浦戸諸島から東松島市宮戸島へ。そこから石巻地方の潮風トレイルは北進する。防潮堤整備と松林の再生を行っている野蒜海岸から、津波で被災し、現在は震災復興祈念公園の一部になっているJR仙石線の旧野蒜駅へと出る。

 新駅から国道45号の鳴瀬大橋までを北上、橋を渡った後は、鳴瀬川河口にある野蒜築港跡まで南下する。

 河口からの眺めは雄大で、このルートの最大の見どころでもある。東松島市が設置した「震災伝承・津波到達」の看板があり、「水位上昇787センチ」という数字が記されている。8年4カ月前のあの日。ビルの3階の高さに相当する大津波が押し寄せた。穏やかな海、心地よい潮風という現実がすっと遠のき、思わず海に向かって黙とうした。

 その後は、北上運河を東進する。鳴瀬川河口から、同市矢本板取の浜須賀橋まで6.4キロ続く。河口近くに整備された歩道専用の浜市橋を渡り、運河の左岸側を歩く。徐々に石巻市の市街地が近づいてくる。

 4月下旬に再開園したばかりの県立都市公園矢本海浜緑地を右手に見ながら、浜須賀橋から同市中心部を経て、再び運河沿いに旧北上川の石井閘門(こうもん)へ向かう。途中、定川河口付近から石巻市へと入る。

 海辺から大河の下流部分へ出るまで4キロほど。徒歩では1時間ほどかかるが、海と川、運河を見ながら水運都市・石巻の歴史をまさに肌で知ることができる。

 ルートの終点は、2017年にオープンした「いしのまき元気いちば」と、昨年9月に整備された石巻市の観光拠点施設「市かわまち交流センター」前となる。

 河口堤防は、散策路や広場的な空間を設け、親しみ憩える場所を目指し、工事が進められている。潮風トレイル東松島−石巻市コースの起点・終点としてふさわしい憩いの場だ。


2019年07月11日木曜日


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