社会的孤立者救済へ 石巻市、4地区をモデル指定 地域力強化で推進

 石巻市は本年度、複合的課題を抱え社会的孤立を深める人を救う手だてとなる「地域力強化推進事業」に取り組む。市民に身近な所で気軽に立ち寄れる交流拠点を設置。住民同士が会話の中で周囲の異変に気付き、必要に応じて専門的な相談支援機関につなぐ。

 地域力強化推進事業は国の補助事業で、山下、牡鹿など市内4地区をモデル地区に設定し、地域福祉コーディネーターやNPO、社会福祉法人に委託して進める。

 具体的には月に1、2回、既存集会施設などを活用して住民が気軽に参加できる取り組みを行うほか、年に2回、多世代が交流できる場を設け、相談機能も備えた住民サポートの拠点を想定する。参加者にはフランクに話し合える雰囲気の中で地域の課題や困り事に気付いてもらい、重い課題を抱え孤立している人の早期発見につなげる。

 モデル地区終了後も市は、地域の主体的な活動として継続していけるよう支援していく。地域での困り事・相談事を、地域包括支援センターなどの相談支援機関につなぐ体制づくりも視野に入れる。

 事業は、復興公営住宅などで暮らす住民の顔の見える関係づくりや、地域のリーダーとなる担い手を発掘する狙いもある。東日本大震災で被災した石巻市では、子どもや子育て世代が抱える課題に加え、引きこもりなどの社会的孤立や生活困窮などへの対策が喫緊の課題となっている。

 市包括ケア推進室は「震災で被災地は地域の絆、コミュニティーの重要性を実感しており、市民の意識は高い。事業に取り組める下地は整っていると判断した。交流拠点がサロン活動のように増えていくのが理想」と説明した。

 市は高齢者だけでなく、障害者や子育て世代も含む次世代型の地域包括ケアシステムの構築も進めている。


2019年07月12日金曜日


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