なぜ石巻へ?在住外国人は今>フィリピン出身、介護士・高橋リヤネットさん

「周りの人に支えられた」と語るリヤネットさん

<考え方と心、日本人以上>

 家族の生活を支えるため、17歳で来日した高橋リヤネットさん(42)。「貧乏で電気もなかった。母と兄3人、姉1人と家族が多いので、高校を卒業し仕事に就いても生活が厳しいと思った」

 仕事は、ホテルのフィリピンショーでダンサーを務めていた。1年ぐらいで辞め、19歳で都内で仕事をしていた石巻市出身の男性と結婚した。その後、義父が病に倒れ、男性が同市蛇田上谷地の実家で家業の食堂を手伝うことになり、2003年に同居した。

 「お父さんは国際結婚に反対で文化の違いから衝突もあった。時間をかけて仲良くなった」。そんな義父は彼女にとって、日本の事を身近で教えてくれる指導者だった。正月やお盆の風習も教わり「日本の文化が大好きになった」と目を輝かす。

 義父、義母、義祖母の3人をみとり、食堂は10年に閉店した。その代わりに主に小学生向けの英会話塾を始め、月曜日を除く平日の夜間に教えている。

 子どもは1男5女に恵まれた。上の子が下の子の面倒を見るのは当たり前で、洗濯、ご飯作り、皿洗い、犬の散歩など役割を決めてできることをさせている。「何があってもうそをつくな。人はいじめるな」としつけも厳しい。「自分がやったことは自分や家族に戻ってくるから」。長女と次女は既に社会人となり古里を離れた。現在は高校生から幼稚園児まで1男3女を女手一つで育てている。

 生活のため、石巻市で定住外国人学習支援員や外国語指導助手(ALT)を務めた。16年からは東松島市赤井のひまわりデイサービスセンターで介護士として働いている。月に2回、レクリエーションで英会話も教えている。来年1月に介護福祉士の試験があり、資格取得を目指して家で勉強に励んでいる。

 石巻市の外国人相談員(英語・タガログ語担当)として、月に2〜4回市役所に出向き、悩みを抱える外国人の相談に応じている。

 在日フィリピン人国際支援団体「ハワックカマイ」代表も務め、社会貢献にも熱心だ。台風被害に遭った地域などの支援でボランティアや募金活動を実施してきた。

 「国際結婚は苦労も多く、周りの人の支えが大きかった」と振り返り、「国籍は外国人だけど、考え方と心は日本人以上だと思っている」とすっかり日本社会に溶け込んでいる。


2019年08月12日月曜日


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