なぜ石巻へ?在住外国人は今>中国出身、中華料理店経営 韓輝さん・劉培霞さん

中華料理店「雲雀」の店頭に立つ韓さん夫婦

<独立し7年新たな出発>

 「○○さん、いらっしゃい」。店内に、韓輝(かんき)さん(53)・韓劉培霞(かんりゅうばいか)さん(45)夫婦の声が響き渡る。2人は、常連客の名前を言って出迎える。笑顔と気さくな人柄から親しまれ、店内は常に明るい雰囲気が漂う。

 石巻市のアイトピアと寿町通りの間にあるアイトピア壱番町で中華料理店「雲雀」を営んで7年になる。

 共に大連出身。夫は都内のホテルで4、5年勤務した後、帰国した際に、中学の英語教師をしていた妻と知り合い、結婚。縁があって1998年1月に夫が先に来石。半年後に、夫の後を追って生後3カ月の長女と妻も石巻へ。

 夫は山下町1丁目の飛翔閣で、10年以上にわたって中華料理を担当。妻は子育てしながらアルバイトで生計を立てた。河北カルチャーセンター中国語講座の講師を務めたこともある。向学心旺盛で「日本の大学で学びたい」と、31歳のときに石巻専修大に編入。経営学部国際ビジネスコースで2年間学び、卒業後は石巻市内の携帯会社に勤務した。

 2012年6月、独立し念願だった中華料理店を開いた。「近所に飲食店がありますが、快く受け入れていただき、石巻の人たちの優しさを感じました」

 「来石した当時は、知人もおらず、日本語を話せなかったので、仙台の日本語学校に通いながら勉強しました。現在のように国際サークル友好21が開く日本語教室もありませんでしたので、それは苦労しました」と振り返る。

 来石して20年。一人娘は大学生になった。10年には既に日本国籍を取得している。「人生のほぼ半分が日本での生活。石巻は人も食べ物も最高」と、すっかりお気に入りの様子だ。

 東日本大震災が発生したとき、近所の知人の依頼を受け、避難所で香港人観光客の通訳を経験した。

 「いざというとき、外国人に適切に対応できるような環境が整っているといいですね。避難誘導など数カ国語の看板の設置もあれば望ましいと思います。外国人向けのパンフレットもあるようですが、街角などでも気軽にみられると、外国人観光客にも喜ばれるのではないか」と提案する。

 9月初旬、心機一転、末広町に移店する。「これまで来ていただいたお客さんはもちろん、新たなお客さんにも、本場の中華料理を味わってもらえるよう頑張っていきたい」

 「いらっしゃい」。2人は今日も笑顔で客を迎える。


2019年08月14日水曜日


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