なぜ石巻へ?在住外国人は今>ベトナム出身、石巻市外国人相談員・青木ももさん

一夫さん(右)と子どもたちの勉強を見守るももさん

<指導に意欲>

 青木ももさん(33)。日本への移住は夫の青木一夫さん(44)との出会いがきっかけだった。

 ももさんが大学生だった13年前、ベトナムの首都ハノイで、日本から進出する企業の電気設備工事の仕事をしていた一夫さんと知り合った。「その頃はまだ、日本人は珍しかった。片言のベトナム語と英語で会話しているうちに親しくなった」とももさん。

 2年後、一夫さんは帰国した。遠距離恋愛は続き、結婚を決意。24歳のときに初めて日本の土を踏み、岩沼市で夫と義母との3人暮らしが始まった。

 「もも」という名は、国籍を変更する際にファミリーネームだった「ダオ」が日本語の「桃」だったことや、ピンクが大好きだったことから付け、新生活への希望を込めた。日本語の読み書きがほとんどできなかった時期でもあり、ひらがなを選んだという。

 来日後は転勤に次ぐ転勤。石巻には一昨年の7月に移り住んだ。東日本大震災からの復興に関わる仕事で、一夫さんは忙しい毎日が続いている。

 ももさんは今、小学2年の長男(8)と、来年入学予定の次男(6)の子育てをしながら、石巻市の外国人相談員を務める。最近増えてきたベトナムからの水産関連など実習生の日本語、生活指導にも従事する。

 「今、石巻地方には約200人のベトナム人がいる。私が最初に教えるのは習慣の違いと、意思をきちんと伝える大切さ」と話す。

 日本人の場合、相手を気遣ったり、遠慮して曖昧な話し方をしたりする人が多い。ももさんは「間違ったごみ出しをしても、日本人は厳しく指摘しない場合がある」と語り、「企業側には日本のルールをきちんと研修生に学ばせ、研修生は『知らないことだらけなので教えてほしい』と相手にきちんと伝えるよう助言している」と力を込める。

 ももさんには今、石巻を含め何でも話せる日本の友人が5人以上いる。「気兼ねなく話せ、互いに信頼している。家族とともに日本での生活の支え」と笑う。

 昨年、ベトナムの人気番組で石巻を紹介するコーナーに家族で出演した。石巻川開き祭りの様子、震災復興を続ける石巻の風土、自然の素晴らしさを伝えた。

 「石巻はおいしい物がいっぱい。人も皆ざっくばらんで、私のようにストレートな性格の人が多い。できれば長く住みたい」と笑顔を見せた。


2019年09月10日火曜日


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