被災当時の状況伝える 石巻・震災遺構「旧門脇小」、報道向け内部公開

鉄骨が熱などで曲がり机が骨組みだけになるなど、火災の爪痕を残す校舎3階西側の教室と廊下
焼けた校舎東側に対し、被害に遭わなかった校舎2階西側の支援学級の教室
児童らが着のみ着のまま逃げたことを物語る、校舎1階に落ちていたランドセル

 石巻市は9日、東日本大震災の遺構として部分保存する方針の旧門脇小校舎の内部を報道機関に公開した。震災から8年7カ月になるが、校舎内は児童の靴や焼け焦げた机などが散乱し、当時の様子を残していた。市は解体工事前の旧校舎は安全性が確保できないとして、市民に公開していなかった。解体工事は11月に着手し、年度内に工事を終え、新築する観察棟などを含む保存施設は2020年度末までに完成させ、21年度前半の使用開始を目指す。

 1〜3階のうち、特に被害が大きかったのは3階で、壁や天井などが焼け、コンクリートの壁や鉄骨などがむき出しになっており、津波火災の被害の大きさを物語っていた。骨組みだけになった椅子や机なども散乱していた。

 1階は、昇降口の靴箱に児童の靴、廊下にランドセルが残るなど、児童らが着のみ着のまま避難したことを伝えていた。2階は校舎東側が3階同様、火災の爪痕を色濃く残す一方、西側は火災の影響をほとんど受けておらず、机やカーテンなどがほぼ当時のまま残っていた。

 計画では、鉄筋コンクリート校舎の両側それぞれ約20メートルを解体し、中央部分を保存する。校舎の全長は約110メートルから約70メートルに縮小する予定。

 市によると、15日から1週間ほどで校舎を覆っているシートと足場を撤去する。解体と工事作業は11月上旬に開始し、校舎の補強のほか、特別教室や屋内運動場の改修、北東側に隣接して観察棟(3階)を新設すする。整備費用は約10億5000万円となる見込み。

 市震災伝承推進室の渋谷幸伸室長は「旧門脇小は、市内で唯一津波火災の痕跡が残る遺構。震災の恐ろしさを広く伝え、命の尊さを後世に引き継げる施設としたい」と話していた。


2019年10月10日木曜日


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