いしのまき演劇祭閉幕 芝居の街、1カ月走り抜く

大阪・羊とドラコの「日曜日よりの使者」。エネルギッシュな芝居で走り抜ける=11月30日、旧観慶丸商店
東京・feblaboの「日曜日よりの使者」。役者たちが客席に入って観客も参加=1日、旧観慶丸商店
大和A劇隊の「最後のラーメン〜令和元年〜」。客と店主による会話で魅せた=1日、土音

 第4回いしのまき演劇祭(実行委員会主催)が1日、幕を閉じた。最後を飾ったのは東京、大阪から参加した三つの劇団。それぞれ11月30日と1日の2日間、石巻市内の施設で上演。約1カ月にわたって街中を活気づけた演劇祭を締めくくった。

 スペースく・ら・ら内の土音(中央3丁目)では、東京から初参加した大和A劇隊が「最後のラーメン〜令和元年〜」を上演。脚本・演出の大和優雅さん(44)は涌谷町出身、石巻高卒の映画監督で舞台演出家。ラーメン屋にやって来た奇妙な年配の客と若い店主によるシンプルな会話劇で、時の流れを隠し味にした展開が、市民を泣き笑いの世界に誘った。

 旧観慶丸商店(中央3丁目)に登場したのは、東京のfeblaboと大阪の羊とドラコ。同じ作品「日曜日よりの使者」を東京版と大阪版で見せる趣向で楽しませた。もともと大阪で誕生した記憶と死と友情を巡る劇を、feblaboが石巻で上演したくて2年前から演劇祭で演じてきた。

 今年は本家の大阪が満を持して石巻に初お目見え、競演が実現した。市民は同じ作品でも東京人と大阪人では、創造する芝居の世界観や味わいが微妙に違うことに驚いていた。二つの会場が近いことから行ったり来たりするファンもいて、街中は最後まで演劇祭の空気に満ちた。

 実行委員会代表の矢口龍太さん(36)は「4回目にして初めて共通テーマ『秘密』を設けたことで、今まで以上に個性的な演劇人や劇団が集まった。作品もバラエティーに富み、芝居の面白い街にまた一歩近づいた」と語った。

 演劇祭は11月2日に開幕。地元はじめ県内外から8団体が参加。会期中、毎週土・日曜をメインに、いずれかの団体が店舗や施設を活用して上演。街中は芝居の熱気に包まれた。


2019年12月03日火曜日


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