東松島・幸 満つる郷にビジネス賞 ICT導入し先端農業、障害者雇用

表彰状などを披露する稲葉所長(左から3人目)

 東松島市野蒜の「幸満(さちみ)つる郷(さと) KDDIエボルバ野蒜」が、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC、東京)のモバイルビジネス賞(ユーザー部門)を受賞した。東北農政局の「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」ビジネス部門の優良事例にも選ばれた。最新のICT(情報通信技術)を導入し、障害者が地域と連携して農業に携わる取り組みが評価された。

 幸満つる郷は2017年、東日本大震災の津波被災地に開所した。一般事業所として障害者の雇用創出や地域経済の活性化、地方創生推進を目指し、農産物の栽培、販売事業を手掛ける。雇用する障害者は、11人でスタートし現在は石巻地方を中心に39人まで拡大。管理者や運営者を含め計55人で事業を進める。

 ビニールハウスなどでミニトマトをはじめ、ホウレンソウやベビーリーフなど年間23種類の野菜を生産、出荷している。今夏はICTも積極的に導入し、水分と肥料の自動投入システムを整え栽培に当たった。夏場の主力ミニトマトは今季、出荷ベースで6000ケースに達し、昨季の3000ケースを大幅に上回った。自動化によって、他の作業を手厚くできたことで、出荷量の増加に加え、糖度やうま味などが増した高品質の野菜栽培が可能になったという。

 ICTなどを積極的に活用した障害者による先進的な「スマート農業」の取り組みは、ビジネスとしてMCPCや東北農政局に高く評価され、今回の受賞と選定につながった。

 稲葉浩所長は27日、受賞報告のため市役所で渥美巌市長と会い、「障害者の励みになる。来春は3人の新卒者を採用し、新たなチャレンジも検討しながら独自の農業経営で震災復興も推進したい」と語った。渥美市長は「バックアップしたい」と応じた。

 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の未来都市の東松島市は昨年、最新技術を活用し産業や環境などの分野でSDGsを推進しようと、KDDI(東京)、KDDI総合研究所(埼玉県)、KDDIエボルバ(東京)の3社と連携協定を結んでいる。


2019年12月28日土曜日


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