石巻市創業ビジネスグランプリ 本年度で打ち切り、新たな段階へ

今回で最後となるビジネスグランプリの受賞者ら

 石巻市が地域の発展や、若い世代の起業家の育成を目指してきた「創業ビジネスグランプリ」が、2019年度を最後に打ち切られることになった。応募者が年々減少する一方、開始から5年の節目を迎え、創業に向けた機運醸成は新たな段階を迎えたと判断した。26日に開かれた第5回グランプリ表彰式では、募集各部門いずれも最優秀賞が選ばれず、異例の結果で幕を閉じた。

 石巻市中央2丁目のかわまち交流センターであった第5回創業ビジネスグランプリの全体講評で、亀山紘市長は「地域や社会的課題と向き合い、生活に直結するソーシャルビジネスが重要だ。その思いが確実に生まれている」と指摘。その上で「若い世代の育成など将来にわたり新たなチャレンジが必要だ。(グランプリは)今年で最後になる」との方針を明言し、締めくくった。

 グランプリは市が地元の資源を活用して地域発展につながるビジネスプランなどを全国公募の形で、2015年度に始めた。市内での創業を促し、一般だけでなく、次世代を担う生徒や学生からもアイデアを募り、起業家意識を高めようとPR活動を展開してきた。

 開始以来、一般部門と学生部門には計135件の応募があった。このうち一般部門は石巻市など県内だけでなく、千葉、愛知からもプランが寄せられたものの、年々減少。第1回の17件を最高に最近は9件ずつで推移し、今回は4件にとどまった。学生部門も県内をはじめ、茨城、大阪、京都など応募の広がりを見せつつも、大学生が前回の8件から2件に激減、高校生以下も前回の27件を大きく下回り8件だけだった。最優秀賞は前回まで一般、学生両部門いずれか該当していたが、初めて一件もなかった。大学生は一次審査を突破できなかった。

 グランプリ開催に当たった市産業推進課の大久保正司主幹は「市内の高校などの教育現場では創業ビジネスの機運醸成の授業導入もあり、(グランプリは)所期の目的を達成した。一定の役割は終わり、出た芽を育てていく次の段階に入った」と話している。

 最後の表彰式では、優秀賞に一般の部は相内木工代表の大内宏毅さん(40)=石巻市北上町=、学生部門の高校生以下は仙台育英高・せんだいまなびや、宮城水産高生物環境類型カキ班の両チームがそれぞれ選ばれた。

 大内さんのプランテーマは「地元産木材使用による、木製名刺の販売」。「間伐材による名刺は印象に強く残り、需要が見込める。間伐材に付加価値を付けることは、山林の適正維持にもなる」と強調した。

 高校生以下の受賞のうち、宮城水産高カキ班は「安全安心なブランドガキ・ヤマトナデシコへの挑戦とイワガキの復活物語について」をテーマに提案。代表の鈴木大翔さん(3年)は「衛生管理を徹底したマガキと、新たなイワガキ養殖の確立はおいしいカキを通年で食べられる石巻をアピールできる」と強調した。

 優秀賞以外の入賞者とビジネステーマは次の通り。

【一般の部】
◆奨励賞
▽斉藤誠太郎(石巻市・地域の人材を地域ぐるみで育てる人材育成事業)
▽横山翼(石巻市・障がい児、障がい者とその家族のための社会参加サービス業=保険外=)


※第5回石巻市創業ビジネスグランプリ審査結果 - 石巻市
https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10451000/8300/8103/20200107182955.html


2020年01月29日水曜日


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