サン・ファン原寸大保存を 市民有志、県に3307人署名簿提出 石巻

遠藤副知事(右)に原寸大の保存を求める署名簿を手渡す斎藤会長

 石巻市渡波の県慶長使節船ミュージアムにある復元船「サン・ファン・バウティスタ号」を、県が2021年度以降に解体する方針を示していることに対し、市民有志でつくる「サン・ファン・バウティスタ号を保存する会」は20日、原寸大の保存を求める3307人分の署名簿を県に提出した。

 保存する会の斎藤祐司会長(52)ら会員と、ハポン・ハセクラ後援会、仙台藩志会などの関係者6人が県庁を訪れ、遠藤信哉副知事に署名簿を手渡した。ハポン姓を名乗る人々が多いコリア・デル・リオ市(スペイン)のモデスト・ゴンザレス・マルケス市長の親書も添えた。

 署名は昨年10月から今月にかけ、インターネットや筆記で国内外から募った。斎藤会長は「あの大きさの船で慶長遣欧使節団が太平洋を横断したと感じられることに、原寸大の意味がある。どうしたら保存できるかを再度検討してほしい」と訴えた。

 後援会の寺田美穂子さん(48)は「宮城の先人がスペイン、ローマと堂々と渡り合ってきたと伝えるためにも、今のままで残してほしい」と希望した。

 遠藤副知事は「維持に必要な強度を保つ方法などを検討してきたが、現状の保存は非常に困難で、解体という苦渋の決断に至った。バウティスタ号の偉業を後世に伝えることは責務。仮想現実(VR)映像など、後世への残し方を考えていきたい」と応えた。

 復元船は老朽化が進み、2016年11月、復元船の今後のあり方検討委員会が解体の提言書を県に提出。19年2月、復元船の4分の1サイズで繊維強化プラスチック(FRP)製の後継船を新造することが決まった。同年7月、解体に納得できない市民有志が保存する会を発足させた。

 保存する会は今後も、街頭で署名活動などを継続する。


2020年02月21日金曜日


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