しょくば拝見>農業生産、ソーシオ(石巻市北境)

斬新な視点で農業に取り組むスタッフたち

<オリーブで業界に新風>

 東日本大震災後の石巻地方の農業は組織化、大規模化が急激に進む。栽培はコメ、施設園芸が基軸だが、ソーシオが手掛けるのはオリーブだ。「北限のオリーブ」として農業に新風を送る斬新な視点で事業を活発化させている。

 震災により地域経済そのものが疲弊した。日野準会長(73)は「産業創生や若い世代の雇用の場の確保、6次産業化など、事業経営は利益追求だけではなく地域社会への貢献が不可欠だ」と力を込める。

 組織名のソーシオはスペイン語で「働く仲間」。思いを結集し、魅力ある企業、農業の実現を目指してキーワードに掲げたのがオリーブだった。「オイルや観賞など用途が広く、付加価値が高い。若者が集い次世代につなぐ農業の起爆剤だ」。阿部栄三郎社長(68)は意欲的だ。

 国内の大生産地、香川県小豆島で研修を重ね、栽培のノウハウを習得。良質の苗木を仕入れ、昨年は女川町内の被災遊休地約1ヘクタールに300本を植栽。今年はさらに500本を植える。

 将来的には数万本の栽培を計画。新たな産地形成に向けて支援者から資金を募るクラウドファンディングで事業の加速を図る。阿部社長は「着実に基盤を築き、やがては世界に向けて発信したい」と思い描く。

 全国的にも珍しいコケの栽培生産も導入。業務に携わる上松健総務部長(61)は「これからの農業には、次代を見据えた多角経営が求められている」と新たな事業を積極展開する。

■会社概要
 農業法人で創業は2019年1月。資本金1000万円。スタッフ7人。事業はオリーブ、コケ、稲作、ドローンの4部門。コケ栽培は観賞用のコケリウムの作り方教室も開き、普及に当たる。稲作では「だて正夢」などを生産し、直売所で販売。ドローンを使った肥料散布などスマート農業にも力を入れる。石巻市北境根廻31。0225(98)6847。
http://socioagri.co.jp/index.html#Business


2020年02月25日火曜日


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