震災の教訓と再起、後世に伝える 遺構「旧女川交番」完成

須田町長らが除幕した震災遺構の旧女川交番
震災遺構を囲う壁に設置されたパネル。復興の歩みを伝える

 東日本大震災の津波で倒壊し、女川町唯一の遺構として町が整備を進めていた旧女川交番の完工式が2月29日、同町であった。被災した当時のままの姿を残した建物は、震災の恐ろしさや教訓を伝えている。

 旧女川交番周辺は「女川町海岸広場」として総面積約4.5ヘクタールを整備している。旧女川交番は鉄筋コンクリート2階で、津波の引き波で基礎部分が引き抜かれ、横倒しになったとみられている。100年程度の現状保存を目指すという。

 外周には震災前から現在の地盤の高さまで上るスロープを設置。壁面には震災前の女川の街並みや復興までの道のりをまとめたパネルを展示している。整備費は遺構周辺の広場約1.2ヘクタールを含め約4億1500万円。

 式典には、須田善明町長ら関係者約100人が出席し、除幕した。須田町長は「震災の教訓や悲しみだけでなく、再起した町や人の強さも伝える場所になってほしい」と期待した。

 女川中の卒業生で構成する「女川1000年後のいのちを守る会」会員の勝又愛梨さん(21)は「震災当時の恐ろしさを見て感じることができる場として、後世に残していきたい。遺構を活用した伝承活動も進めていきたい」と話していた。

 町は、復興計画で2011年9月に震災遺構の保存を提唱。12年には女川中の生徒たちが町長や町議会に対して行った「津波の被害を伝えるため、津波で倒れた建物を残してほしい」との提言などを受け、旧女川交番の保存を決定した。


2020年03月04日水曜日


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