石巻圏・新百景>旧門脇小(石巻市)

校舎の両端が切断された旧門脇小校舎。震災時、校舎には津波で流された住宅や大量の車両が押し寄せ、大規模な火災が発生した

<教訓語り掛ける旧校舎>

 校舎の両脇が切断された学びやが、津波と火災の恐怖を強烈に訴え掛ける。

 石巻市の旧門脇小は東日本大震災の遺構として整備が進む。校舎の南側には国営の追悼広場となる石巻南浜津波復興祈念公園が広がる。20日、東京五輪の聖火が同公園に運び込まれ、「復興の火」として展示された。

 震災前の校舎は幅107メートル。左右対称の造りだった。市は遺構の維持管理費用を抑制するため、中央部の67メートルを残し、3分の1を解体した。全体保存を求める地元有志の声は届かなかった。

 旧門脇小がある門脇・南浜地区には、かつて約1800世帯が暮らしていた。大半の住家が津波に襲われた。がれきと車両が校舎に押し寄せ、炎上。一帯の死者・行方不明者は計542人に上る。

 廃虚と化した住宅地は祈りと伝承の場になる。焼け焦げた校舎は、変わりゆく風景の中で雄弁に教訓を語り続ける。

■メモ
 旧門脇小校舎は震災被災地で津波と火災の痕跡が残る唯一の遺構とされる。公開は2021年度の予定。危険性を考慮し公開後は校舎に立ち入れないようにする。校舎脇に観察棟を建設し、見学できる。


2020年03月25日水曜日


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