福島第1原発事故描く 映画「Fukushima 50」に高い関心

福島第1原子力発電所の事故現場の最前線で指揮をとる伊崎(佐藤浩市、中央) (C)2020「Fukushima 50」製作委員会

 東日本大震災で発生した福島第1原子力発電の事故を描いた映画「Fukushima 50」(若松節朗監督)が、イオンシネマ石巻で公開されており、平日でも大人を中心に観客が詰め掛けている。炉心溶融(メルトダウン)という未曾有の事態を防ごうと、現場に踏みとどまり闘った人々のドラマが市民の心を捉えている。

 田原正和総支配人は「興行的には全国のイオンシネマの中でも東北が強い。被災地ということで関心が高いようだ。客層は年輩の人たちが目立つ」と話す。

 大津波にのみ込まれた福島第一原発は全電源を喪失する。メルトダウンに陥れば東日本は壊滅する恐れがある。映画は最悪の事態を前に、現場作業員を指揮する伊崎(佐藤浩市)がいる中央制御室、所長(渡辺謙)がいる緊急時対策室、そして東電本店の3カ所を同時進行で描く。

 刻々と状況が変わる中で緊迫したやり取りが展開。放射能にさらされる危険を承知しながら闘う現場の男たちから伝わるのは「その場にいる自分にできることを全力でやる」だった。

 東松島市から見に来た60代男性は「私自身、被災したが、福島でこんな恐ろしいことが起きていたことに驚いた。放射能汚染で古里に帰れない人たちがまだいる。震災から9年たつが、決して終わった訳でないことを痛感した」と語った。

 日本映画界を代表する渡辺謙、佐藤浩市をはじめ吉岡秀隆、火野正平、平田満、安田成美らが集結。「絶対、忘れてはいけないことがある」「最前線で闘った人たちのことを知って」「今、作るべき映画」−。それぞれの熱い思いが生んだ映画である。

 「フクシマ フィフティ」は、事故が発生した後も残った約50人の作業員に対して、欧米など国外のメディアが与えた呼称。(文)


2020年03月29日日曜日


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