コウナゴ大不漁 解禁から10日経過、初水揚げまだなし 石巻

コウナゴ漁の不振でシャコエビ漁などにシフトする小型漁船も多くなってきた=石巻市の渡波港

 春漁の代名詞と言われるコウナゴ漁が今年も不振を極めている。13日に予定されていた初水揚げ(入荷)が延期になって以来、22日までの10日間、石巻魚市場に届いたコウナゴはゼロ。

 2020年春漁受け入れ全体会議が3月19日に同魚市場であり、県水産技術総合センターの調査報告で不漁が予想されていたとはいえ、市場関係者らは「ここまでひどいとは…」と嘆く。この状態が続けば経済的損失が懸念されるだけに、一日も早い水揚げを心待ちにしている。

 今シーズンのコウナゴ漁は13日から5月21日までの操業期間を予定(延長の場合は最大で30日まで)。13日の初水揚げを目指し、13隻の小型漁船が各港から12日夕方に出港。仙台湾沖へ向かったが、コウナゴは見えなかった。

 その後、休漁や自主休漁を挟んで数隻が田代島や牡鹿半島など漁場を代えて操業を試みたものの、調査に終わる状態が続く。今では、燃料代などの経費削減のため待機する小型漁船も多く、シャコエビやスクモガニ漁、ワカメ養殖にシフトする漁師も目立ってきた。

 22日、渡波港にいた30代の乗組員は「12日夕方、出港したが、イワシだらけでコウナゴは1匹も見えなかった」と振り返る。昨年、集魚灯を発光ダイオード(LED)に替えてコウナゴ漁に臨んだが、不漁に終わり、使用する機会が少なかったという。「今はただ、様子を見るしかない。他の漁船が水揚げしたら、出漁しようと思っている」と話した。

 昨年、石巻魚市場に水揚げされたコウナゴは24.8トンと、おととしの723トンに比べ、わずか3.4%にとどまった。取引金額も3500万円と、4億1000万円から大幅に落ち込んだ。

 コウナゴは天日干しでの生シラスや、つくだ煮などの需要に加え、最近は缶詰などでも注目を浴びつつある。コウナゴを取り扱う石巻地方の水産加工会社は、関連を含めると20社を超える。

 石巻魚市場の高橋光雄営業部次長(56)は「多少は取れると思っていただけに、本当に寂しい限りだ」と残念がる。それでも先週末に大船渡で200キロ、宮古で四十数キロほど水揚げされたといい、県北の漁場などでの今後の好転の兆しに期待を寄せている。


2020年04月23日木曜日


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