石巻圏・新百景>旧JR野蒜駅(東松島市)

敷地面積1575平方メートルのプラットホームは柵で覆われ、震災遺構として津波の恐ろしさを伝えている
祈念公園の敷地内に建つ震災慰霊碑。震災で亡くなった市民1109人、行方不明者24人などの名が刻まれている

<津波の威力伝える遺構>

 湾曲した線路、倒れんばかりにひしゃげた柱、表面の一部をはぎ取られ波打つプラットホーム。当時のまま残った生々しい傷跡が、津波の威力を物語る。

 JR仙石線野蒜駅は、東日本大震災以前は景勝奥松島の玄関口として多くの利用客があった。駅は野蒜海岸から1キロにも満たない平地にあり、震災時は約3.7メートルの津波に襲われ、機能を失った。

 2015年に修繕した上で震災遺構として保存されることが決まり、16年10月には併接する震災伝承館が開館した。伝承館では写真パネルや映像などで被災状況や復興の歩みを紹介している。

 周辺は「東松島市東日本大震災復興祈念公園」として整備された。敷地内には当時の皇后陛下が詠んだ歌碑や震災慰霊碑が立つ。

 「平穏な日常を誰もが安心して過ごせるように」

 震災から10年目の節目を迎え、かつて電車を待っていたホームは、今は教訓を伝えるべき人々を待っている。


2020年05月20日水曜日


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