コロナ禍でも演劇を VR動画や口パク、新たなスタイル 石巻地方

新しい演劇スタイルの上演に向けて稽古に励む都甲さん=石巻市中央1丁目、アートドラッグセンター
市民の間で定着してきたコマイぬの「月いちよみ芝居」。来月の再開が決まる=2019年6月、石巻市中央3丁目、旧観慶丸商店

 コロナ禍を生きようと、石巻地方の演劇人の意欲的な試みが話題を呼んでいる。「のぞき見演劇」に続いて、8月にはバーチャルリアルティー(VR)動画による公演が行われる。コマイぬも新手法で「月いちよみ芝居」を再開する。「Withコロナ」時代の新しい演劇スタイルを目指す演劇人たちの挑戦に目が離せない。

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 VRを駆使した配信動画で芝居を楽しんでもらおうと立ち上がったのが、都甲マリ子さん(石巻市)の演劇ユニット「プレイング・ユニット的戯」。都甲さん自ら作・演出を手掛ける「ネイキッド・デイ・ブレイク」を、伊達市の俳優佐藤隆太さんと演じる。

 東日本大震災が題材で、東京都出身の都甲さんが震災直後、市内の避難所の運営ボランティアに携わった縁で、同市に移り住んだ体験と思いを重ねた芝居だ。

 話題はVR演劇と、これまでのオンライン演劇とまたひと味違う鑑賞スタイルが特徴。市販の専用ゴーグルを掛けることで視界と映像が変化、生の舞台を見ている感じに近くなる。

 都甲さんは「舞台作品であり映像作品でもある。没入感を体感できる新劇場。内容は重いが、パフォーミングアートとして届けたい」と話す。もう一つ強い思いがある。「コロナ禍で役者だけでなく照明や小道具、美術といったスタッフも生活に困っている。彼らに少しでも仕事を与えたい。役者だけで芝居はできないから」と強調する。

 観客は、あらかじめ送信された鑑賞用のURLにアクセスし指定日時に鑑賞する。「Zoom」を用いたアフタートークもある。

 上演は8月2、16、23、30日、9月6日の午後6時から。一般3500円、学生3000円。ユニットのホームページから申し込む。VRゴーグルのレンタルもある。連絡先は的戯080(4472)4274。
https://playing-unit-teki-gi.jimdosite.com/

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 石巻市出身の芝原弘さんが代表を務める演劇ユニット「コマイぬ」は8月3日、3月から休演していた「月いちよみ芝居」を再開する。あらかじめ収録した朗読に合わせて、口パクで演じるというユニークな上演スタイルで届ける。

 コロナ禍で模索してきた中で、たどり着いた一つの方法が口パク。当日、芝原さんたちはマスクにフェースシールドを着用し、一切言葉を発しない。録音した音声をスピーカーから流し、その音声に合わせてマイクを持って話しているように演じる。

 作品は「拝み屋怪談 郷内心瞳を読む 第19夜」。午後6時半から旧観慶丸商店(中央3丁目)で上演する。約1時間。入場無料だが、密にならないように19人に限定(予約優先)。

 芝原さんは「逆境をいかに楽しくするかを考えた。やはり劇場は楽しいと、思ってもらえたらうれしい」と話す。当日、来られない人のために後日、「Youtube」で公開する。

 連絡先は090(4041)8168。


2020年07月26日日曜日


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