震災知らない世代へ 防災副読本を全面改訂 石巻市教委

全面改訂した防災教育副読本「未来へつなぐ」

 石巻市教委は本年度、東日本大震災の記録や教訓などを伝承する防災教育副読本「未来へつなぐ」を全面改訂した。発行初年度の2012年以来、全面改訂は初めて。

 震災から今年で10年目を迎え、発生当時に幼かったり、生まれていなかったりする児童生徒が大半であることから、震災を次代に伝え、近年頻発している豪雨などの災害に対する備えや知識を学ぶ教材として活用する。

 「未来へつなぐ」はA4判。小学1〜3年、4〜6年、中学生の計3パターンを製作し、「知る・備える」「災害」「震災のとき」「復興」の4項目にまとめた。

 「震災のとき」と「復興」では、支え合いやライフラインの大切さ、健康や衛生を守るために奮闘した医療従事者らの活動、全国から寄せられた支援、震災からこれまでの歩みなどを紹介。震災時の状況や経験を踏まえて自分の考えを記入する欄を設けた。「知る・備える」と「災害」では、大雨の警戒レベルや全国瞬時警報システム(Jアラート)、応急処置法など、災害の備えや身の守り方について盛り込んだ。

 改訂は市学校防災推進会議のワーキンググループが意見を出し合ってまとめた。昨年度、市教委の副読本は全52小中学校で使用。県教委の副読本と併用したのは10小中学校だった。総合的な学習の時間や、道徳や学活の授業などで活用しているという。

 現在の中学3年生は05年か06年生まれで、震災時の11年は就学前。小学3年生以下は震災時には生まれていない。震災の記憶がある子どもたちは確実に減少するため、伝承のあり方や防災意識向上に向けた取り組みは今後の課題でもある。

 市教委学校安全推進課の担当者は「震災では多くの方が亡くなった。このことを繰り返さないよう、自分の命は自分で守るという行動を取ることができ、地域防災にも参画できるような子どもたちを育成していきたい」と話した。


2020年08月13日木曜日


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