幸福の使者、コウノトリ「こころ」飛来 石巻・渡波で羽休め

石巻市渡波地区に飛来したコウノトリ=14日午前6時ごろ、村松さん撮影

 石巻市渡波地区の水田に、国の特別天然記念物のコウノトリが飛来している。福井県が2018年に放鳥した雌の「こころ」で、住民らは幸福の使者として知られるコウノトリの来訪に「東日本大震災の復興の現状を視察に来たのかも」と静かに見守っている。

 コウノトリを発見したのは同市渡波の介護職員村松かおりさん(46)。13日午前8時すぎ、愛犬と自宅周辺を散歩中に見慣れない鳥を見つけた。

 よく見掛けるサギと比べて背丈が3倍もあり、村松さんは持っていたスマートフォンで撮影し、フェイスブックに掲載した。すると友人が「コウノトリではないか」と指摘。埼玉県鴻巣市のNPO法人鴻巣こうのとりを育む会らが運営する「日本コウノトリの会」に連絡した。

 その時は姿形からコウノトリと確認したが、足に着けられたアルミ製のリングで、個体識別できる「足環(あしかん)」が判然としなかった。

 このため村松さんは14日朝、望遠レンズ付き一眼レフカメラで撮影。再度、会に写真を送付し、こころと個体確認した。

 放鳥した福井県自然環境課は「衛星利用測位システム(GPS)で、こころと確認している」と語る。

 こころは千葉県を中心に北は青森県から南は熊本県まで広く移動している。GPSによると19年9月に一度、東松島市に飛来している。今年8月に宮城県入りし、8月15日から今月14日までの1カ月、ずっと石巻市内に滞在している。

 同課の担当者は「コウノトリはカエルやミミズ、ドジョウなどを食べる肉食の鳥。餌が豊富で安全な場所を見つけると長く滞在することが多い」と言う。

 コウノトリは1970年代に国内では絶滅したとされる。その後、福井県などが人工飼育による野生再生活動に取り組んでいる。

 村松さんは「震災10年まであと半年。石巻地域、そして被災地にとっての吉兆となってほしい」と話している。


2020年09月17日木曜日


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