アプリ「石巻津波伝承AR」 南浜・門脇ツアーを収録、住民の避難行動も

南浜地区の津波前と後、住民の避難行動などを学べるアプリを説明する福田さん

 公益社団法人3.11みらいサポートが提供している東日本大震災の被災状況を拡張現実(AR)で伝える防災アプリ「石巻津波伝承AR」に9月30日、東日本大震災最大の被災地である石巻市の「南浜・門脇ツアー」が追加された。津波とその後の火災で壊滅的な被害を受けた地区の被災前の様子、直後にがれきで埋まった惨状、そして復興へと整備が進む現在を映像で見ることができる。津波襲来時の住民の避難行動、当時の記憶なども収録され、教訓を共有できる充実したアプリになった。

 門脇・南浜地区の数カ所に行ってアプリを立ち上げると、今は思い出すことも難しくなった9年半前までの懐かしい街並み、津波直後にがれきで埋め尽くされた一帯をパノラマ写真で見ることができる。4年前に高盛り土道路の建設が急ピッチで進む様子をドローンで撮影した映像などもあり、被災前から復興へと向かう姿を追うことができる。

 津波から間一髪で逃れることができた地区住民の行動を地図上に点の移動で示した貴重なデータも収録。視察ツアー客への説明ツールとして大いに役立つ内容となっている。震災を知らない子どもたちへの教材など活躍の場は多くありそうだ。

 アップデートされたアプリは、iPhone(アイフォーン)、iPad(アイパッド)に対応したアプリ配信サービス「App Store(アップストア)」からダウンロードして使用できる。アンドロイド版の「Google Play」は調整がやや遅れており、できるだけ早い配信を目指している。

 3日には視察ツアーを対象に実地体験会を開く。アプリ開発を担当したみらいサポートの福田貴史さん(25)は「昔の街並みの写真の追加など新たなデータを加え順次、改良を重ねていきたい」と話している。


2020年10月03日土曜日


先頭に戻る