ニュースを聴く>コロナ第3波 石巻地方ほぼ満床、医療崩壊危機迫る

「一人一人の感染対策で医療崩壊を防いでほしい」と訴える宍戸氏

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。県内でも新規感染者が急増しており、石巻市ではクラスター(感染者集団)が発生、感染者の累計は40人に上る。

 感染第3波に入った新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行に備え、桃生郡医師会副会長(感染症対策理事)の宍戸友明氏(60)=ししど内科クリニック院長=に現状や対応を聞いた。宍戸氏は「石巻圏域では医療崩壊のリスクが高まっている」と警鐘を鳴らす。(聞き手・浜尾幸朗)

   ◇

−石巻圏域でコロナ対応の感染病棟の状況は。

 「中等症、重症を扱う石巻赤十字病院の10床、軽症を扱う石巻市立病院の5床がほぼ満床で、登米市や気仙沼市へ搬送することもある。無症状の人や軽症でホテル滞在可能な人は仙台市にお願いしている。入院患者だけでなく、外来でのPCR検査も大変な状況だ」

−新型コロナとインフルエンザの同時流行に備え、注意すべき点は。

 「一つ目は感染の頻度が高いと言われる飛沫(ひまつ)感染の予防。会話での飛沫は1.5メートルの距離まで届くと言われており、ソーシャル・ディスタンス2メートル以上を保ち、マスクを着用すること」

 「二つ目はエアロゾル感染の予防。エアロゾルとは飛沫の水分が少なくなり、ウイルスがより小さな飛沫核となって空気中を漂うことによる感染。換気をすることで予防できる。常に窓に隙間を空けておくか、1時間に4回ぐらい窓を開け、新鮮な空気を入れる。暖房使用時でも人の集まる所では換気は重要。石巻でもカラオケ店でクラスターが出た。大きな声を出す所では換気が特に重要だ」

 「三つ目は接触感染の予防。手洗いと手指のアルコール消毒であり、特に外出先では頻回にすべきだ。ウイルスが手に付いただけでは感染しないが、ウイルスが付着した手や指で鼻や口や目に触れることで粘膜を通じてウイルスが体内に入り感染する。ここを予防するのが手洗いだ」

−同時流行に備え、県は診療・検査医療機関を418カ所指定した。このうち石巻圏域は何カ所か。

 「石巻圏域では11月17日時点で32の医療機関が指定されている。今後も検査できる医療機関は増える可能性がある」

−発熱症状で電話相談された患者にどう対応する。

 「電話で行動歴と症状を確認し、指定した時間に来院してもらう。到着した時点で再び電話をし、車中で順番が来るまで待機する。その後、発熱者専用の診察室で診察、検査をする」

−医師の立場から伝えたいことは。

 「医療崩壊は何としても避けなければならない。石巻圏域では医療崩壊のリスクが高まっている。マスク、手指の手洗い消毒、換気などをしっかりとし、一人一人の感染対策で医療崩壊を防いでほしい」

−石巻圏域へのPCRセンターの設置予定は。

 「県石巻保健所長が中心となり、石巻市が開設者として県、2市1町、石巻市、桃生郡両医師会が協力しながら、センターの設置に向けて動いている」

<メモ>
 石巻圏域の新型コロナウイルスの感染者は18日時点で石巻市40人、東松島市5人、女川町3人。石巻市では遊興施設「カラオケステーション丸新丸」(利用者7人が感染)と石巻工高(生徒と教職員計10人が感染)でクラスターが発生した。


2020年11月20日金曜日


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