都市対抗野球大会>日本製紙石巻、チームをけん引する選手

斉藤侑馬投手
宮内春輝投手
長谷川拓哉内野手
水野隼翔捕手

 都市対抗2次予選では、各選手が投打に持ち味を発揮し、勝利を引き寄せた。全国の強豪が集まる本大会ではさらに厳しいゲームが予想される。8強超え達成の鍵を握る、攻守の注目選手を紹介する。


■安定した投球が持ち味/斉藤侑馬投手

 同じく左腕の塚本と二枚看板を担う。都市対抗2次予選東北大会では、先発・中継ぎとして3試合に登板。チーム最多の15回を投げ、防御率は1.80と、コンディションに波の無い、安定した投球が持ち味。

 6種類の変化球を使い分け、常に相手の嫌がる場所を狙い澄ます。「全国レベルの相手では毎試合が接戦になり、先制点は勝利の鍵になる。味方が点を取るまで粘って投げたい」。

 チームは都市対抗で4回、全国大会を経験した。「今年のチームは8強入りしたときより粘り強い」と自負する。自身の全国初登板は加入3年目。地に足の着いた投球ができずに悔いを残した。チームメートには「どこでやっても同じ野球。一人一人がいつも通りのプレーをすることが大事」と呼び掛ける。

 東日本大震災が発生した2011年チームに加入した。「間近でいろんな悲しみを見て、今でもそれらが癒えたとは思わない。石巻に少しでも明るいニュースを届けたい」と意気込む。


■度胸満点、直球で攻める/宮内春輝投手

 右横手から放つ、最速145キロの直球が武器。加えて「どんな場面でも緊張しない」というマウンド度胸が評価され、主に抑えとして結果を残してきた。宮内は「ストレートでがんがん押せるのが強み」と自己分析する。

 昨季はルーキーながら七十七銀行の補強選手として都市対抗へ。八回二死で登板し、打者1人を三振に切って取った。投げっぷりが評価され、昨冬に台湾で行われた「アジアウインターベースボールリーグ」に社会人日本代表として出場。国内外の若手プロ選手らと戦い、刺激を受けた。

 今季強く存在感を示したのが、延長十三回までもつれた2次予選の敗者復活4回戦。六回途中からロングリリーフし、七十七銀行打線を抑えてサヨナラ勝ちを呼び込んだ。自身の社会人最長イニングでもあり「自信になった」と手応えを語る。

 大舞台へ向け、2年目の若き守護神は「ベスト8を超えられるよう、チームの勝ちにつながる投球をしたい」と気合を入れた。


■長打力と勝負強さ持つ/長谷川拓哉内野手

 長打力と勝負強さを併せ持つ4番としてチームを引っ張る。昨年の本大会はきらやか銀行の補強選手として出場し、今回が通算5度目。野手最年長。「東京ドームを目指して1年やってきた。やっとその場に立てる」と静かに闘志を燃やす。

 今季、より強く意識しているのが、状況に応じたチームバッティングだ。2018、19年とあと一歩のところで全国大会出場を逃し「チームがかみ合わなければ負けると痛感した」。本塁打も期待できるパワーヒッターだが、走者がいる場合は狙い球や打球の強弱に気を配る。

 JR東日本東北との都市対抗第2代表決定戦では、1点を追う六回無死一塁、ヒットエンドランのサインが出ていた場面でしっかり左前打を決め好機を広げた。

 全国で1勝を挙げる難しさは選手の誰よりも感じてきた。「大事なところで仕事をしないといけない立場。出塁にこだわるなど、チームが勝つための力になりたい」と力を込めた。


■今季急成長、投手支える/水野隼翔捕手

 前田監督が、今季成長した注目選手の筆頭に挙げる。巧みなリードと強肩で投手を支え、都市対抗2次予選では敢闘賞にも輝いた。2017年の本大会で先発マスクをかぶった水野は「3年前は何もできず終わった。今回は自分の仕事をしたい」と意欲を燃やす。

 「どん底だった」と語る経験を乗り越え飛躍した。昨季は大事な場面で投手陣とかみ合わず、控えに回る試合が増えた。8月の日本選手権最終予選決勝では、1点を勝ち越した直後の延長十一回裏に守備に就いたが、打ち込まれサヨナラ負け。「このまま選手として終わるかもしれない」とまで思い詰めた。

 今季、実戦を積む中で、リードが独りよがりになっていたことに気づいた。「サイン通り投げてほしいという気持ちが強過ぎた」。投手陣との練習中の会話をより重視し、マウンドでの声の掛け方も変えた。

 まず1勝が目標。「投手に迷いなく気持ちのこもったボールを投げさせたい」と表情を引き締めた。


2020年11月22日日曜日


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