「避難者の思い出 油絵に」 会津学鳳高・中美術部 大熊町民から聞き取り

災害公営住宅の集会所で、池下さん(右)の思い出話を聞く生徒たち

 福島県会津若松市の会津学鳳高・中の美術部員たちが、東京電力福島第1原発事故で市内に避難する福島県大熊町民の思い出を、油彩画にして贈る活動に取り組んでいる。市内の災害公営住宅「城北団地」で、住民が持参した写真を基に古里や家族の思い出を聞き取ることからスタート。完成は12月を予定する。

 初日の8日は、生徒16人が同団地の集会所を訪問。6グループに分かれ、集まった大熊町の住民10人に、かつての古里や原発事故当時の様子を聞いた。
 同町夫沢で農業を営んでいた池下昭さん(76)は約5センチ四方の小さなモノクロ写真を持ってきた。中学生の頃、男3人兄弟、母親らと自宅の庭で撮影した。
 池下さんは「自宅は帰還困難区域になった。避難先に持ってきた写真は少ないが、母親の農作業を手伝い、たこ揚げをして遊んだことが忘れられない」などと説明した。
 聞き取りは約1時間にわたった。高校3年渡辺梨花さん(17)は「たくさん教えてもらった。兄弟を育ててくれたお母さんに対する池下さんの思いを表現したい」と話した。
 生徒たちは約20センチ四方の油彩画を制作。同県三島町産のキリ材に漆を施したレリーフに埋め込み、アート作品に仕上げて、住民それぞれにプレゼントする。
 城北団地自治会長の北村哉信さん(57)は「若い人たちと交流できてうれしい。作品の完成を楽しみにわれわれも頑張りたい」と語った。


2018年08月24日金曜日


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