浜の風物詩、存続危機 石巻・雄勝で伝統行事「おめつき」中止 山車渡御や寸劇取りやめ

昨年開かれた伝統行事「おめつき」。人口減と高齢化で存続が危ぶまれている

 宮城県石巻市雄勝町名振地区で毎年1月24日に開かれる県無形民俗文化財の祭事「おめつき」が今年、中止されることになった。同地区は東日本大震災で甚大な被害を受け、急速な人口減と高齢化で担い手確保が困難になった。震災翌年にも開かれた浜の新春の風物詩が存続の危機に直面している。
 おめつきは200年以上前から同地区に伝わる火伏せの行事。男衆が山車を担いで集落を練り歩き、男性器をかたどった木彫りや小道具を用いたユーモラスな寸劇を披露して、豊漁と子孫繁栄を願う。
 震災前、同地区には約80世帯が暮らしていたが、現在は半数以下に減少した。山車の担ぎ手は少なくとも25人が必要で、昨年までは復興工事の作業員や県内外のボランティアらの協力を得て開催した。
 今回は高齢化に加え、復興事業の収束やボランティアの縮小に伴い、人手不足が顕在化。山車の渡御や寸劇は取りやめ、名振秋葉神社で神事のみ執り行う。
 おめつきの小道具や山車は津波で流失したが、2012年はトラックに太鼓を載せて継続した。日本財団などの支援を受けて道具を作り直し、13年に従来の形で復活。荒天で中止となった17年を除き、ほぼ毎年途切れることなく受け継がれてきた。
 同神社氏子会の和泉誠一郎総代長(79)は「支援してくれた方々に申し訳ない。地域で一番大きな行事なので続けていきたいが、来年以降もどうなるか分からない」と肩を落とした。


2020年01月16日木曜日


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