手掛かり求め沖合で海中捜索 震災8年11カ月、南相馬・南右田地区

海中捜索の様子を眺める遺族

 東日本大震災から8年11カ月がたった月命日の11日、福島海上保安部は津波被害に遭った南相馬市鹿島区南右田地区の沖合で行方不明者の海中捜索をした。遺族らが「かすかな手掛かりでも得られたら」と防波堤から様子を見つめた。
 遺族から嘆願書を受け、昨年に続き実施。協力した宮城海上保安部の巡視船「くりこま」の警備救難艇に乗った潜水士7人が午前と午後の2回、震災がれき(撤去済み)が集中した沖合約500メートルのポイント計5カ所で深さ9〜10メートルの海底に潜り、半径10〜15メートルに並んで環状に捜索した。
 それぞれ1時間ほど捜したが、視界が15〜30センチと悪く、硬い砂地の海底を手でさらったものの遺留品などは見つからなかった。
 市によると、市内で111人、うち南右田では19人の行方が分かっていない。
 地区にあった自宅が津波で流出し、父=当時(88)=が不明となった小野田功さん(76)は妻テル子さん(73)と捜索を見守った。「父は畑仕事や犬の散歩をするなど元気だった。遺品一つない。海を見るのはだんだんつらくなっているが、父だけでなく地区の人たちの手掛かりが今後見つかればいい」と話した。


2020年02月12日水曜日


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