慰霊の花、海へささぐ 宮城・七十七銀女川支店行員の遺族

健太さんの同僚の遺族と共に花束を海に手向けた弘美さん(右)=11日午後1時10分ごろ、宮城県女川町小乗浜

 東日本大震災の津波で12人が死亡・行方不明になった宮城県女川町の七十七銀行女川支店の行員の遺族ら6人が11日、同町の女川湾に献花し、慰霊の祈りをささげた。「これからも一緒だよ」「早く帰ってきて」。今も癒えない悲しみを胸に、亡き人をしのんだ。
 行員12人のうち8人の行方が今も分からない。冷たい風が吹き荒れる中、遺族たちは花束を海に投げ入れ海を見詰めた。
 長男健太さん=当時(25)=を亡くした田村弘美さん(57)=大崎市=は「震災直前の週末、息子はいつものように洗濯物を持って単身寮から家に帰ってきた。『身だしなみはぴしっと。頑張らいんよ』と日曜夜に見送ったのが最後になった」と涙を拭う。
 「将来を約束した彼女もいて、息子はどれだけ無念だったか。こんな経験を二度と繰り返してはいけない」
 震災9年のこの日、弘美さんの姿は、同行女川支店跡地近くにある慰霊花壇前にも。夫の孝行さん(59)と並び、命の大切さや企業防災の向上を記者志望の大学生に訴えた。「息子と一緒にできるのが語り部の活動。これからも続けたい」と誓った。


2020年03月12日木曜日


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