宮城・女川唯一のスーパー「おんまえや」9年ぶり再開

開店を待ちわびた客一人一人に買い物かごを手渡す佐藤社長(奥)ら

 宮城県女川町で唯一のスーパー「おんまえや」が12日、再開した。東日本大震災の津波で店舗が流失し、役員と従業員計9人が犠牲になってから9年。壊滅的被害からの復興を歩む町内で、住民に密着したスーパーを目指す。
 敷地内には開店を待ちわびる300人超の買い物客が長い列を作った。開店前にセレモニーがあり、軽トラックの荷台から紅白の餅や菓子がまかれた。
 佐藤広樹社長(38)は店舗入り口で客を出迎え、「いらっしゃいませ」「またよろしくお願いします」と声を掛けながら一人一人に買い物かごを手渡した。
 新店舗は旧店舗跡地の町中心部に再建。一帯は津波被害を受け、約8メートルかさ上げされた。売り場面積は610平方メートル。高齢者が利用しやすいように棚の高さを低くしたほか、旧店舗に比べ広い通路を確保した。
 震災では、佐藤社長の母で先代社長の佳世子さん=当時(63)=が犠牲になった。店内の一角には佳世子さんをしのばせるコーナー「かよちゃんの手づくり惣菜(そうざい)」を設け、バイキング形式で提供する。
 開店1時間前から並んだ同町の無職阿部ミツ子さん(74)は「今まで石巻市まで買い物に行っていた。新鮮な食材を近くで買えるのはうれしい」と歓迎した。
 店舗再開を目指し、移動販売や仮設店舗で商売を続けてきた佐藤社長は「本当に長かった。皆さんの応援でここまで来られた。女川に幸(さち)を届けるために精いっぱいやる」と話した。


2020年03月13日金曜日


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