津波題材の書 アメリカの美術館へ 石巻の千葉さん制作 新聞記事書き写した大作

ロサンゼルス・アート・ショーで展示された「3.11 鎮魂と復活PARTII」。作品を背に千葉さん(中央)が書を実演してみせた=2月

 東日本大震災の津波を題材に、書家千葉蒼玄(石巻市、本名敏勝)さん(65)=河北書道展運営委員=が制作した書の大作が、米ロサンゼルスのロサンゼルス・カウンティ美術館(略称ラクマ)に収蔵されることが決まった。千葉さんは「自分の作品がアートとして認められ、とてもうれしい」と喜んでいる。
 収蔵されるのは「3.11 鎮魂と復活PARTII」(縦3.6メートル、横13メートル)。震災1カ月後、津波で被災した製紙会社付近で見つけた、壁に張り付いた新聞紙の光景に触発され、制作を思い付いた。震災直後から3カ月分の河北新報などの新聞記事を、延べ1年かけて書き写した。2013年に発表し、その後の加筆で現在の規模に拡大した。
 千葉さんは、米ロサンゼルスで先月開催された「ザ・ロサンゼルス・アート・ショー」に作品を出品。メイン会場入り口付近に展示された大作は、世界中から集まった美術関係者から「繊細で美しい」「森のようだ」と好評を博した。ショーのオーナーが、ラクマのアジアコレクション担当者に推薦し、収蔵が決まった。
 千葉さんには今月10日に連絡が入った。千葉さんは「震災から9年を迎えようというこの時期に、美術館収蔵という名誉を授かるとは、何かの因縁を感じる」と語った。
 ラクマは、1910年設立の芸術科学歴史博物館を起源に持つ米西海岸最大の大規模複合芸術施設。ロサンゼルス市西部の約8ヘクタールの敷地に、古代美術から絵画、彫刻、現代アートまであらゆる分野の芸術作品約15万点を収蔵する。


2020年03月22日日曜日


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