宮城県・陸閘自動閉鎖システム 「県民防災の日」の12日に一部運用開始

システムの運用が12日に始まる陸閘=宮城県七ケ浜町

 津波警報などの発令時に水門と陸閘(りっこう)(防潮堤を貫く道路の門)を自動で閉鎖する宮城県のシステムが「みやぎ県民防災の日」の12日、一部で運用を始めることが分かった。同システムは水門での実績はあるが、陸閘は初めて。津波の襲来時に現地で人が作業する危険を回避する。
 対象となるのは、東日本大震災の復旧復興事業で整備された塩釜、気仙沼、七ケ浜、女川の4市町にある海抜3.3〜7.2メートルの防潮堤に備わる陸閘23基。大津波警報、津波警報、津波注意報、高潮警報のいずれかが発令されると、システムが稼働する。
 気象庁の警報などは全国瞬時警報システム(Jアラート)と県総合防災情報システム(MIDORI)を通して仙台、東部、気仙沼の3土木事務所で受信。電話、無線の両回線で現地の通信設備に信号が送られ、陸閘の門が自動で閉じる仕組み。
 警報が出てから2〜10分後に門が動きだし、いずれも5分以内に閉まる。停電に備え、自家発電機も配備した。防潮堤の上部に設置された回転灯やスピーカーで近くの住民や観光客らに避難を呼び掛ける。
 県によると、震災の被災3県で消防団員197人が犠牲となった。このうち59人が水門や陸閘の閉鎖に向かって命を落とし、宮城では11人が亡くなった。
 教訓を踏まえ、県は管理する約900基の水門と陸閘のうち、人の往来などがある212基で自動閉鎖システムの導入を決め、本年度中の整備を見込む。導入費は約58億円。水門は東松島市大塚にある1基が稼働している。
 被災3県では岩手県が同様のシステムを採用し、一部の水門と陸閘で運用を始めている。


2020年06月08日月曜日


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