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津波被災の宮城農高、牛乳製造再開 生乳は「奇跡の牛」子孫から搾乳でつなぐ

宮城農高が校内で製造した牛乳

 宮城農高は東日本大震災前に行っていた牛乳製造を再開し、宮城県名取市のジェラート専門店「ナチュリノ」で11日から市販する。原材料の生乳は、津波で生き残り「奇跡の牛」と呼ばれた同校飼育の牛の血を引く乳牛などから搾った。担当職員は「被災した先輩の思いを後世につなぎたい」と力を込める。
 商品名は「MIYANOU MILK(ミヤノウ・ミルク)」で、200ミリリットルの紙パック入り。成分無調整で、乳脂肪分3.5%以上。高温短時間(80度15秒間)殺菌により、牛乳本来のコクが味わえるという。
 容器のデザインは「奇跡の牛」を母親に持つ実習用の乳牛「サニー」がモチーフ。サニーは2012年にみやぎ総合家畜市場(宮城県美里町)で開かれた品評会で、未経産牛部門の最高賞に輝いた。校内でデザインを募り、生徒の案を採用した。
 同校は名取市下増田の旧校舎が津波被害を受け、飼育していた乳牛34頭のうち20頭が犠牲になった。震災前は瓶入りの牛乳を製造し、校内で販売していたが、津波で製造設備も流された。
 内陸部の市高舘地区に18年、新校舎が完成し、牛乳の製造設備を導入。19年からのテスト生産を経て、今回の市販開始にこぎ着けた。校内では乳牛20頭を飼育し、「奇跡の牛」の血を引く4頭を含む約10頭から搾乳している。
 担当する同校実習助手の菊池裕子さん(38)は「旧校舎で作っていた牛乳を何とか復刻させたかった。教職員と生徒が力を合わせて搾乳し、安心安全にこだわり製造している」と話す。
 価格は1個120円(税別)。数量限定で、予約販売も受け付けている。連絡先はナチュリノ022(397)8235。


2020年09月11日金曜日


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