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仙台・指定避難所に給水栓 震災の教訓踏まえ準備

市職員と教員が災害時給水栓の使い方を学んだ説明会=仙台市若林区の南小泉中

 東日本大震災で仙台市内が広域的に断水した教訓を踏まえ、市水道局が指定避難所の市立小中高校に「災害時給水栓」の配備を進めている。給水栓は地震に強い水道管と結ばれており、管が破損して断水するリスクが低い。既に計画の8割の整備が終わり、避難所を運営する市職員や学校管理者、地域住民向けに講習が行われている。
 給水栓は青色に塗られ、敷地の隅などに設置されている。ホース、仮設給水蛇口とつなぎ合わせ、ハンドルで開栓すると簡易給水所になる。耐震性のある水道管に直結し、水圧を利用して水が出る仕組みになっている。
 市水道局によると、給水栓は指定避難所195カ所のうち、非常用の飲料水貯水槽のない177カ所に設置する。これまでに139カ所(78.5%)の整備が終わり、残りも2022年度までに完了する。整備費が1カ所300万円と大きくなく、災害時に水を安定供給できるため、市は13年度から配備を進めている。
 設置した避難所の防災備蓄倉庫には開閉ハンドル、ホース、仮設給水蛇口の3点セットを保管する。取り扱えるのは避難所の運営担当者。市水道局は地震により避難所を開設した場合は必ず、地震以外の災害の場合は必要に応じて給水栓を開くよう呼び掛けている。
 10月30日は若林区の南小泉中で、教員と市職員の計6人が給水栓の使い方を学んだ。防災主任の高橋晃太教諭(36)は「使い方に少しこつがいるが、すぐに水が出る。地域の人と生徒が一緒に取り組む防災訓練に取り入れたい」と話した。
 震災時は市内23万戸が断水し、給水車に長蛇の列ができた。復旧まで最大3週間かかり、全国61の水道事業者の支援を受けた。
 市水道局水道危機管理室の斉藤真治技師(32)は「給水栓の開閉を避難所の運営者に任せる自治体は珍しい。使い方を多くの人に知ってほしい」と期待する。


2020年11月12日木曜日


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