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津波の記憶、笑顔で覆う 名取の祖父母宅跡にテニスコート「地元を盛り上げたい」

子どもたちを指導する三浦さん(左)と洞口さん

 東日本大震災の大津波で名取市杉ケ袋の祖父母と叔父を亡くした洞口厚さん(38)が、津波で流された祖父母宅の跡地にテニスコートを造り、仲間と共に競技の普及に取り組んでいる。1年前に開設したスクールでは車いすテニスも学べる。「テニスを通して被災した地元を盛り上げたい」と夢を描く。

 スクールの名称は「More−Tennis(モアテニス)」。約3600平方メートルの敷地にナイター照明付きの人工芝コート3面を備え、2019年11月にオープンした。
 震災前から暮らす洞口さん宅とは目と鼻の先。母親の実家として、小さい頃から思い出の場所だ。
 洞口さんは、硬式テニス競技の全国大会出場など豊富な経験を持つ。東北学院大卒業後、サラリーマンを経て民間テニススクールのコーチになり、16年に独立した。
 スクール代表は、プロテニスコーチの三浦雄一さん(46)=仙台市太白区=。高校時代に指導を受けた師であり、社会人になってからは共にテニス業界で活動してきた。
 三浦さんは、日本車いすテニス協会ナショナルチームのヘッドコーチも務め、14年に競技普及を目指す団体を設立し、活動拠点を探していた。
 現在は三浦さんを中心に、ヘッドコーチの洞口さん、ともにチーフコーチを務める三浦さんの妻真美さん、岩間洋行さん(42)=名取市=の4人で指導・運営に当たっている。障害者も含め幼稚園児から高齢者まで老若男女が連日、汗を流している。
 三浦さんは「性別や障害に関係なく、親子3代でテニスを楽しめる環境づくりを心掛けている。被災地に元気を呼び込みたい」と話す。洞口さんは「思い出の地で末永くテニスの普及に取り組みたい」と意気込む。
 22日には開設1周年を記念し、ロンドンとリオ、パラリンピック2大会連続出場の車いすテニス日本代表真田卓選手(凸版印刷)がレベルの高いプレーを披露する予定だ。


2020年11月18日水曜日


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