「大熊のナシ」地元で継承 避難先で亡くなった農家の苗木、ふたば未来高生が移植

生徒たちと苗木を移植する関本好一さん(右から3人目)。「息子が残してくれた物が受け継がれることを誇りに思う」と話した

 東京電力福島第1原発事故で福島県大熊町から避難し、ナシ栽培を再開した千葉県で2017年に亡くなった関本信行さん=当時(55)=が育てた苗木が23日、古里と同じ福島県双葉郡に移植された。ふたば未来学園高(広野町)の生徒が特産物を地元に残そうと遺族に持ち掛けた。
 苗木は、関本さんが12年に開設した千葉県香取市の果樹園に植えた6本。父親の好一さん(84)と妻典子さん(48)の指導を受け、3年生約20人が手分けして鉢に植えた。新年度から利用し、中学校が併設される広野町内の新校舎で育てる予定だ。
 信行さんはナシ栽培100年以上の農家の4代目。全町避難となった地元のナシ農家で唯一、みずみずしい「大熊のナシ」を避難先で復活させた。17年8月に病気で帰らぬ人になった。
 生徒たちは地元食材の活用を考える授業で信行さんを知り、同年10月、収穫された「最後のナシ」とそれを使ったケーキを広野町で販売した。今回、卒業を控えた生徒有志が休園中の果樹園から苗木を引き継ぐことを企画した。
 準備に当たった福島県浪江町出身の3年石井菜月さん(18)は「避難後も諦めずに栽培したナシへの愛がすごい。関本さんの思いを背負い、後輩たちは丁寧に育てていってほしい」と話した。
 典子さんは23日、大熊でのナシ作りを紹介する授業も行った。「母校に帰ってきてナシがなっていたら大熊のこと、古里のことを思い出してくれたらうれしい」と語った。


2019年01月24日木曜日


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